マクドナルドは2月2日から「北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー(仮称)」を販売しました。
そこで、名前があまりにも長すぎるの一般で名前を募集するというプロモーションを展開。
自分が考えた名前が当選した場合には、ハンバーガー10年分プレゼント。なんとも景気の良いプロモーションですね。
そして、2月22日に名前が決定。
名前の応募は500万件にもおよぶそうで、一体どんな名前が採用されたのか非常に楽しみにしていましたが、しかし決定された名前を聞いて愕然としました。
「北のいいとこ牛っとバーガー」
一瞬わが目を疑うネーミング。北のいいとこ牛っとバーガー・・・?
なんだそりゃ・・・?
ネーミングセンスはともかくとして、名前が長いから名前を募集したというのに、実際に決定した名前もそこそこ長いというオチ。
つくづくマクドナルドは、こういうプロモーションが下手くそだな〜と痛感しました。
いろいろ思うこともあったので、今回はマクドナルドのプロモーション戦略が下手くそな理由を書いていこうかと思います。
目次
- 目次
- 今回のプロモーションに140万円投資する価値はあったのか?
- マクドナルドのプロモーションは面白くない
- ライバル企業のプロモーションに負けているマクドナルド
- マクドナルドのプロモーションがクソな理由
- マクドナルドはもっと攻撃に転じるべきだ
今回のプロモーションに140万円投資する価値はあったのか?
まずですが、今回の名前募集のプロモーションに苦言を呈しておきます。
「北のいいとこ牛っとバーガー」
なぜ500万件もあった応募の中からあえてこの名前を選んだのでしょうか?
そもそもこのプロモーションの趣旨は、名前が長いから一般公募するというもののはず。なのに、実際に決まったのは中途半端な長さを持ったネーミング。
キャッチーなフレーズでもなければ、インパクトにも欠ける、いまいち狙いがわからない名前。
こんなに名前が長いとまずお客さんに覚えてもらえません。最低でも5文字ぐらいに抑えるのがベストだったのではないでしょうか?
当選者には140万円という金額がプレゼントされるということですが、つまり今回のプロモーションは従来のテレビCM以外にも、余計に140万円という出費が増えたことになります。
果たしてこのプロモーションは140万円を投じる価値があったのでしょうか?
マクドナルドのプロモーションは面白くない
今まで様々なプロモーションを見てきましたが、やはりマクドナルドのプロモーションは面白くありません。
ひとつ前のプロモーションを振り返ると、チキチキチキンレースというものがありました。
【 #チキチキランチチキンレース 第1レース】チキチーセット1年分が当たる! @Love_McD をフォロー&このツイートを正午12:00ちょうどを目指してRTしよう!応募方法はコチラ https://t.co/clYHjfr4y4 pic.twitter.com/MOzkodzecy
— マクドナルド (@McDonaldsJapan) 2016, 1月 5
このプロモーションの概要は、マクドナルドの公式Twitterアカウントをフォローした後に、正午12時ちょうどに対象のツイートをリツイートすると、チキチーセット1年分が当たるというものです。
正午12時ちょうどにリツイート・・・。う〜ん、面白みに欠ける。
なんというか、マックはネットでどうすれば拡散されるのかということがイマイチわかってないという印象。無理やりリツイートを促して話題にしようという魂胆が透けて見えるし、やり方としてはかなり甘い。
ライバル企業のプロモーションに負けているマクドナルド
ここで他のライバル企業たちのプロモーションをみていきましょう。
■ バーガーキング
ビックと名のつく商品の現物かレシートを店頭で見せると、お得に新商品の「BIG KING」を購入できるというキャンペーン。
あからさまにライバル店であるマクドナルドを意識したキャンペーン。そのせいもあってかネットで結構な盛り上がりようを見せました。
面白いのが、お店にマクドナルで買ったビックマックを持って行っても、このキャンペーンが適用されるという点。
■ ケンタッキー
スマホ画面がクラッシュしていたらケンタッキーのドリンク「クラッシャーズ」が無料というキャンペーン。
笑いを誘うのが、スマホ画面が一切壊れていない人でも、ハンマーの貸し出しを行っているので、それでスマホ画面をぶっ壊せばこのキャンペーンに参加できるというところ。
特に凝った内容でもないのに、いろいろと意味不明で面白い。
※マクドナルドのライバルと言えばモスバーガーですが、こういったキャンペーンを行っていなかったので今回は除外
マクドナルドのプロモーションがクソな理由
例としてケンタッキーとバーガーキングのプロモーションを紹介しましたが、マクドナルドのプロモーションとは全くやり方が違うのがわかると思います。
バーガーキングは、あからさまにマクドナルドにケンカを仕掛けるようなプロモーションを展開。人のもめ事大好き野次馬日本人には、このやり方はウケました。
ケンタッキーは、スマホの画面がクラッシュしていたらドリンクをタダというプロモーションを展開。普通に考えて意味不明ですが、しかしその意味不明さが逆に話題になりました。
両者に共通しているのが、既存の常識にとらわれず、自由な発想のもとプロモーションを行っているのがわかります。その姿勢が更に面白さを際立たせてるのかなと思います。
結局話題になるには、ちょっとばかしトリッキーな手法だということです。
なぜマクドナルドのプロモーションが毎回面白くないのかというと、このトリッキーさが欠けているからです。
日本マクドナルド社長のサラ・カサノバ氏は、マクドナルドのブランド向上に重きを置いている経営者です。
特に、異物混入騒動でマクドナルドのブランドイメージを大きく損なったという経緯があるので、ブランドイメージには今とても敏感なのです。
ママズアイ・プロジェクトという、商品の安全性を訴える施策を打ち出したり、300円募金したらマックの靴下をプレゼントして、社会貢献活動をアピールしたりと、とにかく企業イメージ回復に奔走しているサラ・カサノバ氏。
その姿勢が、こういうプロモーション戦略をやろうとする時、大きな足かせとなるのです。
つまり、ブランドイメージを気にしすぎるあまり積極的に攻めることができず、結局、保守的な当り障りのない戦略になってしまうからです。今回の「北のいいとこ牛っとバーガー」がその最たる悪い例でしょう。
守りに入れば当然トリッキーさもなくなるので、ウケるわけがないのです。
僕は今回の名前募集というプロモーション自体を非難しているわけではありません。
プロモーション自体は、様々な人を巻き込める良いものだったと思います。僕が失望しているのは、数ある応募から「北のいいとこ牛っとバーガ」 という名前を選んだことです。
最終的に決定したハンバーガーの名前こそが、現在のマクドナルドの保守的な部分が如実に現れているのです。
こういったプロモーションを行った場合、どういう名前を選ぶのがベストなのかといえば、その答えは、本当にセンスにあふれる最高な名前か、ネタとしか思えない意味不明な名前の、どちらかしかないのです。
絶対的に中途半端なオチではダメなのです。
中途半端な名前では、お客の記憶に残りません。めちゃくちゃウケるか、めちゃくちゃスベるかのどっちかしかないのです。
それができないマクドナルドのプロモーションは、やっぱりクソなのかなと思います。
マクドナルドはもっと攻撃に転じるべきだ
今回の名前募集のプロモーションで、マクドナルドの保守的な側面がより明らかになりました。
別にこのプロモーションが成功しようが失敗しようが、そこまで売上に影響はないかもしれません。僕が言いたいのは、プロモーションをうまくやれということではなく、もっと捨て身になって攻める姿勢を見せてほしいということです。
2015年、異物混入騒動でマクドナルドは世間から大バッシングされました。その後も何かと叩かれてきました。そういう現状に対して、マクドナルドはひたすら耐えてきました。ネットで誹謗中傷されても、売上が著しく減少しても、不採算店舗を大量閉店することになっても、ただひたすら耐えてきました。
そして2016年。騒動から1年が過ぎました。異物混入騒動の影響は収まりを見せ、売上も徐々に回復の兆しを見せ始めてきました。
つまり。
今こそ攻めなきゃいけないのです。
騒動が一通り落ち着いた今だからこそ、強力な攻めの一手を繰り出さなければいけないのです。
その今を逃したら次のチャンスはいつやってくるのかわかりません。
このチャンスをモノにするためには、中途半端なプロモーションでは話になりません。度肝を抜く強力なインパクトのあるプロモーションをぶち込むべきです。
守ってばかりではビジネスの流れは変わりません。
ブランドイメージを大事にするのもいいかもしれませんが、どうせ叩く奴は何をやっても叩くものです。もっと捨て身になって変なプライドを捨て去り、攻める姿勢を持つことこそが今のマクドナルド復活に繋がるのではないでしょうか。
外食産業のトップ、日本マクドナルド。
失った王者の誇りをもう一度取り返してほしいものです。
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