新兵自殺、韓国政府に980万円賠償命令=ソウル中央地裁

 ソウル中央地裁民事204部(クォン・ヒョンジュン裁判官)は19日、「息子が入隊後、自殺するそぶりを何度も見せたにもかかわらず、小隊長や先輩兵士らが無視した上、暴言を浴びせたため、結局息子が自殺した」として、Yさんが韓国政府を相手取り損害賠償を求めた訴訟で「政府は原告に対し1億700万ウォン(約980万円)を賠償するように」との判決を言い渡した。

 Yさんの息子は2013年4月、新兵訓練所に入所した。だが入隊の翌日、服務適性調査の際「死にたいという考えがたびたび浮かぶ」と話し、軍医官は「自殺を図る可能性が高い」という判定を下した。

 息子は2カ月後、江原道の舞台に配置された後、あらためて検査を受けた際にも「うつ病の症状がひどく、直ちに専門家の診察を受ける必要がある」との診断を下した。

 だが小隊長は検査結果を破棄し、翌日に再び検査を受けるよう指示して、「良好」との判定結果を中隊長に報告した。息子は同年8月、トイレで首をつって自殺した。地裁は判決理由について「軍が自殺を防ぐための措置を怠った」と述べた。

チョ・ベッコン記者
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