太田航
2016年2月24日13時36分
内閣官房長官の裁量で支出できる内閣官房報償費(官房機密費)をめぐり、市民団体「政治資金オンブズマン」(大阪市)側が使い道の開示を求めた2訴訟の控訴審判決が24日、大阪高裁であった。田中敦裁判長は具体的な使途や支払先が特定されない一部文書の開示を認めた2訴訟の一審判断をほぼ踏襲し、国の不開示処分を取り消した。
オンブズ側は2005~06年の小泉内閣での支出分約11億円(1次訴訟)と、09年の麻生内閣での支出分2億5千万円(2次訴訟)について、支出先や個別の金額、時期が記された書類や領収書の開示を求めた。
高裁は、大阪地裁が1次訴訟判決(12年3月)と2次訴訟判決(同11月)で示した枠組みに沿い、大まかな用途別に支出額を分類した「支払明細書」や機密費の出入りを月ごとに集計した「出納管理簿」の一部などは「開示されても使途や支出先が推測・特定される恐れはない」と指摘。国側の「時期や金額が明らかになれば使い道が推測される」との主張を退けた。
一方、2次訴訟の地裁判決が、利用者名のない公共交通機関の領収書なども開示対象に含めた判断については、領収書が存在しないとして覆した。
2訴訟の一審判決に対しては、開示対象の範囲が不十分とするオンブズ側と、一切開示すべきではないとする国側がともに控訴して争っていた。
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朝日新聞社会部
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