2012年12月に大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将の男子生徒(当時17歳)が自殺したのは教諭だった元顧問(50)=懲戒免職=の体罰が原因として、両親ら遺族が大阪市に約1億7400万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は24日、体罰と自殺の因果関係を認め、大阪市に約7495万円の賠償を命じた。岩井伸晃裁判長は「元顧問の暴行がなければ自殺することはなかった」と述べた。市の調査や元顧問を有罪とした刑事裁判と同様の判断となった。
【写真】男子生徒が元顧問に渡せなかった手紙
訴状などによると、男子生徒は2年生だった12年9月に主将に立候補して指名されたが、直後から元顧問による叱責が増え、11月以降は「主将を辞めろ」と迫られた。12月には練習試合でのプレーが散漫なことを理由に、元顧問に顔や頭を何度も平手打ちされることが2日あり、口を切るけがをした。最後に体罰を受けた翌日の12月23日未明に自宅で自殺した。
両親らは関東地方に転居し、13年に東京地裁に提訴した。男子生徒が自殺3日前に「キャプテンしばけば解決すると思っているのですか」などと当時の気持ちを手紙にして持っていたことから、「長期間の暴言と暴力で精神的に追い込まれた。元顧問の行為がなければ自殺しなかった」と主張。「歴代の校長や教頭も元顧問の体罰を放置してきた。監督責任は大きく不法行為に当たる」と訴えた。
一方、大阪市側は「男子生徒は、家族の期待に応えて主将を続けたかったが、能力的に責任を果たせず思い悩んでいた。不安に耐えられなかったことが自殺の原因」と賠償責任を否定。訴訟に補助参加した元顧問も15年6月の証人尋問で「たたいて指導すればチームの士気やプレーの向上につながると思っていた。過去に自殺した生徒はおらず、男子生徒の自殺は思いもよらなかった」と予見可能性を否定していた。
自殺を巡っては、大阪市の外部監察チームが13年2月、「元顧問の暴力が自殺の大きな要因」と認定し、市教委は元顧問を懲戒免職とした。刑事裁判でも、傷害罪などに問われた元顧問に大阪地裁が同年9月、体罰と自殺の因果関係を認めた上で懲役1年、執行猶予3年を言い渡し、確定している。【島田信幸】
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