ソニーモバイルは「Xperia」ブランドをスマートフォン以外のIoTデバイスに拡大させる。Mobile World Congress 2016では、さまざまな通知をしてくれるイヤフォン「Xperia Ear」、360度全天球カメラ「Xperia Eye」、パーソナルアシスタント「Xperia Agent」、プロジェクター「Xperia Projector」の4種類を披露した。これはXperiaブランドの枠を広げるもので、携帯電話の次のコミュニケーションの形を模索する動きとなる。
なお、Xperia Earは2016年夏の発売を予定しているが、日本での発売は未定。その他の3モデルはコンセプトモデルのみを展示し、商品化は未定だ。
Xperia Earは、さまざまな情報を通知してくれるイヤフォン。外側の表面にある小さなライトの点滅により、スマートフォンと接続していることが分かる(写真下を参照)。耳に装着すると、デモ用に用意したメールを知らせるメッセージが流れた。マイクも搭載しており、スマートフォンにかかってきた電話に出られるほか、背面を長押しすることで音声によるコマンドも可能とのこと(会場では試すことはできなかった)。
ボイスコマンドはソニーの音声技術を利用しており、日本語を含む7言語に対応する。「今日の天気は?」と尋ねると当日の天気を教えてくれる。行き先を伝えてGoogle マップで案内してもらったり、調べたい言葉を発してWikipediaなどから検索したりもできる。説明員によると、メッセージを受信したら返事するかどうかを尋ねてくるので、「イエス」と答えるとメッセージを音声で入力できる。手が離せないときや運転時にも役立ちそうだ。
スマートフォンとは最初にNFCのNマークにタッチしてペアリングを行い、その後はBluetoothでやりとりする。なお、スマートフォンはAndroidならソニーモバイル以外のメーカーのものでも良いという。スマートフォン側のアプリを利用して、朝に天気情報やニュース、メッセージの受信や着信を知らせる、といった設定をしたり、スケジュールやナビゲーションなど、通知してほしい情報を設定できる。アプリはβ段階とのことで、設定画面などは見られなかった。
Xperia Projectorは、プロジェクターから下周辺のテーブルなどに投影し、投影されたスクリーンに直接触れて操作をしたり、手書きでカレンダーにメモを加えたりできる。サイズは約65(幅)×130(高さ)×135(奥行き)。OSは未定。
壁にも投影でき(写真下を参照)、カメラで自分の顔を捉えてビデオ電話などを楽しめる。家族などグループで使い、人を検出してその人のスケジュールを表示するなど、パーソナルデバイスとしてさまざまな使い方が期待される。
Xperia Eyeは、360度全天球カメラを搭載したデバイス。周囲の歓声などの音を認識してカメラが起動し、顔認識により顔があれば写真を撮るという予測機能を備える。スマートフォンの画面を通してではなく、肉眼で感動するシーンを見ながら、Eyeがきちんと写真を撮ってくれるーー。そんな日常生活に溶け込んだデバイスになるかが注目される。
Xperia Agentは、ユーザーの声に反応し、声としぐさでアシストしてくれる。ユーザーに合った情報の提供や、通話・SNSなどのアシスト、家電の操作などが可能だ。
上部の黒い部分にカメラが入っており、目を模した2つの細いライトが光ったり点滅したりすることで表情を出した。端末中央部にあるプロジェクターは周囲に投影することも、すぐ下にある受け皿のような部分に投影することも可能。なお、音声機能は周囲の雑音のために試すことはできなかった。
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