西沙に戦闘機配備…ミサイルと同じ島 米が報道
【ワシントン和田浩明】米FOXニュース電子版は23日、複数の米当局者の話として、中国が周辺国と領有権を争う南シナ海・西沙(英語名パラセル)諸島の永興(英語名ウッディー、ベトナム名フーラム)島に複数の戦闘機を配備したと報じた。永興島には中国が地対空ミサイル「紅旗9」を8基配備したことが判明したばかり。米国は南シナ海の軍事化中止を求めているが、無視され続けている形だ。
FOXによると、過去数日間に、米情報当局が中国軍の戦闘機「殲(せん)11」と戦闘爆撃機「殲轟(せんごう)7」数機を永興島で確認した。永興島では、昨年10月にも「殲11」戦闘機の訓練が行われたとの写真が中国の軍事系オンラインメディアなどに掲載されている。
ケリー米国務長官は23日、中国の王毅外相との会談後に行った共同記者会見で「南シナ海にはミサイルや戦闘機、機関砲などが配備され、通商での利用者の多大な懸念を生んでいる」と指摘。中国だけでなく、ベトナムやフィリピンなどの領有権を主張する国の間で「対立の循環」が生じていると憂慮を表明した。
これに対し王外相は「連日のように戦略爆撃機やミサイル駆逐艦など南シナ海に現れている」と指摘。米国が「航行の自由」維持を名目に、中国が領有権を主張する南シナ海の島の周辺などに軍の艦船や航空機を派遣していることに不快感を表明した。また、他国が南シナ海で「中国の岩礁などを不法に占拠し軍事化している」とも主張した。