2016年2月24日13時44分
京都府舞鶴市の女子高校生殺害事件で無罪が確定した住所不定、無職の中勝美被告(67)が、その後の2014年11月に知人女性(39)をナイフで刺したとして殺人未遂罪などに問われた事件の裁判員裁判が24日、大阪地裁で始まった。中被告は「女性と口論になり、もみ合いになった際にナイフが刺さった」と起訴内容を否認し、正当防衛による全面無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、中被告は大阪市北区の雑居ビル内でホテルを経営する女性を訪ね、「服を脱げ」などと脅して犯行に及んだと指摘。果物ナイフ(刃渡り10センチ)で顔や首、胸などを刺された女性は約1カ月のけがを負い、殺意があったのは明らかと主張した。
弁護側は、被告は別の窃盗事件で実刑判決を受けて14年9月末に出所後、女性の経営するホテルで働いた際の未払い給料を払ってもらおうとしたが口論になり、女性からナイフを持ち出されてもみ合いになるうちに刺さったと反論。殺意はなく無罪だと訴えた。
中被告は、08年に舞鶴市で起きた女子高校生殺害事件で逮捕・起訴。11年に一審・京都地裁で無期懲役とされ、12年に二審・大阪高裁が「目撃証言は信用できない」と逆転無罪に。14年7月、最高裁が検察の上告を退けて無罪が確定した。
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朝日新聞社会部
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