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高浜1、2号に事実上の審査合格 新基準、40年超原発で全国初

(2016年2月24日午前11時40分)

拡大 関西電力高浜原発1号機(右)と2号機=2014年11月、福井県高浜町田ノ浦 関西電力高浜原発1号機(右)と2号機=2014年11月、福井県高浜町田ノ浦


 原子力規制委員会は24日、老朽原発の関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)について、新規制基準に適合しているとする合格証の原案となる「審査書案」を了承した。事実上の審査合格で、運転開始40年超の原発では初めて。今後は老朽化対策に特化した運転延長審査に焦点が移る。

 2基は7月7日の期限までに延長審査や、設備の詳細設計をまとめた工事計画の認可など、残りの手続きを終えなければ廃炉になる可能性が高く、再稼働できるかどうかは依然として見通せない。

 規制委は今後約1カ月、科学的、技術的な意見を一般公募した上で審査書を完成させる。正式決定は今春になる見通し。

 高浜1、2号機は、既に合格した3、4号機と同じ敷地のため地震や津波対策に大きな問題はなかったが、防火性能が不十分なケーブルを使っており、難燃化の方法が焦点だった。昨年12月、全長約1300キロのケーブルについて、6割を燃えにくい素材に交換し、残りを防火シートで包むとする関電の方針を規制委が了承した。

 東京電力福島第1原発事故を受け、原子炉等規制法は原発の運転期間を原則40年に制限。ただ規制委が認めれば、特例で最長20年の延長が可能で、関電は、ことし運転開始40年となる美浜3号機(福井県美浜町)も申請している。

 新基準に基づく適合性審査には、九州電力川内1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)、高浜3、4号機、四国電力伊方3号機(愛媛県伊方町)が合格し、川内1、2号機と高浜3号機が再稼働している。

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