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 運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、原子力規制委員会は24日、安全対策が新規制基準を満たすと認める審査書案を了承した。40年を超える老朽原発の新基準適合が認められるのは初めて。今年7月の運転延長認可の期限までに必要な許認可をすべて受ければ、60年までの運転が可能になる。原発の運転期間を40年とする原則の形骸化が進む可能性がある。

 規制委が審査書案を示したのは、九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、関電高浜3、4号機、四国電力伊方3号機(愛媛県)に続いて4例目。

 東京電力福島第一原発事故後の法改正で、運転期間を原則40年とし、規制委が認めれば1回だけ最長20年延長できる制度ができた。高浜1、2号機はすでに40年を過ぎたが、経過措置で今年7月まで期限が猶予されている。関電は昨年3月に新基準に基づく審査を、同4月に60年までの運転延長の審査を申請した。