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<八木山動物公園>仙台東西線集客増に活用

河北新報 2月22日(月)15時2分配信

 仙台市地下鉄東西線が昨年12月に開業し、市八木山動物公園(太白区)へのアクセスがぐんと向上した。西のターミナルの八木山動物公園駅と直結し、仙台駅からバスで約25分かかっていたのが12分に大幅短縮。連休時に付き物だった渋滞も緩和されそうだ。

 地下鉄効果はてきめん。昨年12月の入園者は前年同期比5.6倍の3万6395人に急増し、ことし1月も同2倍の2万2334人と好調が続いた。「想像以上の効果」と大内利勝園長は目を見張る。

<沿線施設が連携>

 千載一遇の好機を集客増に生かそうと、昨年9月には「東西線沿線AP協議会」が発足した。動物公園や仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール(宮城野区)など沿線のレジャー施設4カ所で構成し、「動物」「公園」など各施設の英語の頭文字から命名。4施設の外観写真を最寄り駅と共に紹介するポスターを制作し、タッグを組んでPRに励む。

 加盟する仙台うみの杜水族館(宮城野区)の和田淳太マネジャー(44)は「一緒に小学校で出張授業をするなど、教育面で連携を強めたい。将来は動物の交換展示もできればいい」と展望を描く。

 「官営と民営の違いで今までは近くて遠い存在だった」と語るのは、同じく加盟施設の八木山ベニーランド(太白区)の八木充幸社長(62)。「東西線開業で近くて近い関係に一歩前進した。イベントの共催など協力して地域を盛り上げたい」と意欲を示す。

<地域の中心地に>

 市南西部の丘陵地帯にある八木山地区。1965年の動物公園開園と同じ年、八木山団地の造成が始まった。

 それから半世紀。開発ラッシュに沸く東西線荒井駅一帯とは対照的に、地域再開発の動きは乏しい。住民の高齢化も進む。今回の開業に「再生のラストチャンス」との声も上がる。

 市民団体「八木山地域デザイン研究所」の畠山創代表(37)は「動物公園は八木山のハブスポット(中心地)になる」と期待する。地域に開かれた交流拠点とのイメージだ。「住民との接点をもっと増やし、オリジナルのおみやげを共同開発してみてはどうか」と提案する。

 八木山動物公園の2014年度の入園者数は約49万1000人。78年度の約63万5000人をピークに減少傾向が続いている。

 大内園長は「八木山の顔として教育施設として、魅力あふれる動物園づくりをしていきたい」と意気込む。東西線開業を機に集客力を高め、地域全体のにぎわい創出につなげられるか。挑戦の年が始まった。

最終更新:2月22日(月)22時21分

河北新報

Yahoo!ニュース 特集(時代の「主役」)

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