軍用ロボットの開発で知られる Boston Dynamics が、ヒト型汎用ロボット「Atlas」の次世代バージョンを公開しました。動画では山野を自律歩行し、重さ5kgほどの荷物を(例によっていじめられながら)運びます。

Atras は2015年夏の時点ですでに屋外の歩行も可能となっていましたが、当時は太いケーブルを後ろに引きずりながらのことでした。今回はそのケーブルもなく、軽快な歩行を見せています。

新たに公開した次世代版はバッテリー駆動で完全な自律歩行が可能となりました。さらに体格も身長175cm、体重81kgと中肉中背のおっさん風になりました。(以前は182cm、150kg)

動画は、まるでヤッターメカのように並んだ Boston Dynamics 歴代ロボットのシーンから。ひとり次世代 Altas だけが歩き出し、おもむろに表へと出ていきます。

そして、雪の積もった野山をよろめきながらも軽快な歩調で散策します。ただ、次のカットでエンジニアに連れ戻されたところを見ると、どうやら散策ではなく逃亡を図っていたようです。
 
倉庫へと移動したAtlasは、"10lbs(約5kg)"と書かれた箱を持ち上げ、せっせと棚へ仕分けします。真面目に仕事を続けていると、こんどは Boston Dynamics 伝統行事の「ロボットいじめタイム」に。箱を持ち上げてははたき落とされ、さらにホッケーのスティックで何度も突き飛ばされます。しまいには後ろから押されて、顔面ヘッドスライディングまでさせられてしまいました。
 
 
このあたり、ロボットの性能を向上させるために必要な"訓練"とはいえ、ヒゲのエンジニアがなかなかの悪人に見えてしまうところではあります。四脚ロボットのときでさえ、ネットには「見るに耐えない」「かわいそう」などといったコメントがあふれたことを考えると、その見せ方にもう少し工夫があっても良いのではと思えなくもありません。
ただ、顔面から倒れた Atlas は、みごとな体さばきでシャキーン!とばかりに立ち上がります。この立ち直りの早さはロボットならでは。そしてすぐに作業に戻るかとおもいきや、再びドアを開けて逃亡をはかるのでした...。
 
 
新しくなった Alras ロボットの特徴は、小さくなってケーブルが取れた以外にも白い外装パネルをまとったところがあげられます。これによって清潔感と若干の ASIMO 風味を獲得し、より親しみやすくなりました。あとは頭部のデザインがどう進化していくのかに注目したいところです。

ちなみに、人型でも汎用の Atlas の背後には、人型軍用ロボット PETMAN が潜んでいます。こちらは数年前にガスマスクを着けて歩行する姿が公開されていましたが、その後の開発状況があまり表に出てこないのが不気味なところです。
ヒト型ロボットAtlasが山野を自律歩行。BostonDynamics恒例「いじめタイム」にもめげず作業に励む

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