「コーヒー界のアップル」――。
ご存じの方も多いと思うが、米国発のカフェ「ブルーボトルコーヒー」はこのように呼ばれている(関連記事)。なんだかスゴそうな響きが漂うが、「Webメディア界の長州力」を目指すワタクシとしては、ものすごく気になるフレーズである(新人Sくん:ドイさん、なんっすかそれ!?)。
創業者のジェームス・フリーマン氏が自身で買い付けてきたコーヒー豆を自宅の裏庭にあるガレージで焙煎(ばいせん)し、マーケットで販売していたことからこのように呼ばれているそうだ。
そんな黒船のようなカフェが、2015年2月6日に初上陸。その日の東京の気温は、最高が12度、最低が0度。コート、マフラー、手袋が手放せない中にもかかわらず、一杯のコーヒーを求めて黒山の人だかりができていたのである。ある人は5時間も待ったとか。飲料メーカーで働く知り合いは「行列ができている近くに、ウチの自販機を置いたら缶コーヒーが売れるだろうなあ」と嘆いていた。
そんなブルーボトルコーヒーも上陸してから1年が経ったが、いまはどうなっているのか。さすがに行列はできていないだろうなあと思って、青山と清澄白河の店を偵察したところ、平日にもかかわらずいずれもほぼ満員。一杯のコーヒーを求めて、数十人待ちのときもあったのだ。
都会でコーヒーを飲もうと思えば、選択肢はたくさんある。スターバックスやドトールといったカフェチェーンだけでなく、喫茶店、ファストフード、ファミリーレストラン、コンビニ、自販機など。ライバルはたくさんある中で、なぜブルーボトルコーヒーはいまも多くの人から支持されているのだろうか。また、オープン当初は大行列ができていたが、その裏でスタッフはどのような状況に追い込まれていたのだろうか。同社で取締役を務めている井川沙紀さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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