赤ちゃんのお世話を私と遜色なくこなし、その上家事も一通りできるという、世の中水準からするとイクメンこの上ないであろううちの夫。
とはいえ家事については、凝り性の私と「最低限生きていければいいいや」主義の夫では求めるレベルにやや差がありますし、そもそも育休中の私と仕事中の夫では、1日の時間割も全然違います。
そんな二人が、「育児」という未知のタスクを追加で抱えるとどうなるかというと……
朝、自分のお弁当と朝食のついでに、授乳明けの私の分も朝食を用意しようとがんばる夫。それより赤ちゃんを見てくれると、洗濯と掃除と自分の洗顔して洗濯物を干すところまでできるのになあ、ともやもやする私。
夕方、私を気遣ってお土産を買ってくる夫。それより一分でも早く帰ってきて赤ちゃんを見てくれれば、洗濯物を取り込んでたたんでお風呂の準備ができるんだけどなあ、ともやもやする私。
夜、食事の後片付けをしてくれる夫。深夜のミルクでキッチンに入り、洗い忘れの菜箸やグラスを見てがっくりする私。
休日、なかなか起きてこない夫のいびきを聞きながら、いつも通り朝方にぱっちり目が覚めてご機嫌な赤ちゃんの相手をしていると、むらむらと殺意に近い怒りが湧いてきたこともありました。
他にも、ゴミ捨て終わったよ!と報告してくるそばから、排水口のゴミがそのままになっているのを見てがっくりしたり、洗い物の最中にいただき物のグラスがパーンと割れる音を聞いてもやもやしたりと、細かいところが気になって気になってしかたがありません。
一方の夫も、平日なにかと赤ちゃん連れで出歩き、週末も自宅に来客の予定を入れる私に「こっちだって仕事と慣れない育児で疲れてるし、まだ赤ちゃんも小さいのに、ほどほどにしてよ!」とストレスを溜めていた様子。
たまたま2週連続で金・土・日と来客が続いた産後3ヶ月の頃に、ついにお互い爆発!
「どうして○○してくれないの?」「どうして○○できないの?」と言い合いになり、気まずい日が何日か続きました。
でも、そこはお互い仕事ではプロジェクトリーダーをしている私たち。
課題があることはわかった、まず課題感の擦り合わせをしよう!ということになり、夜に時間をとって、二人で話し合いをしてみました。
分かったのは、夫への私のもやもやも、夫の私へのイライラも、要するに我々の業界で言う「調整不足」だということ。
お互い「こういうことを期待していますよ。こういうことを自分はしたいと思っていますよ」ということを相手に伝えているつもりで、実は何かのついでに言っただけ、勝手に思い込みでそうしていただけ、なんてことばかりで、その結果「なんで○○してくれないの?」になっていたんだなあということでした。
もちろん、「ここまでしてほしい」と言われたところで、そこまではできない!やりたくない!ということもありましたが、二人で決めたのは「してほしいことは全部言う」ということ。
これは、事前に共有していないことはできなくてもしょうがない、ということでもあります。
シンプルなように見えますが、意外と難しい「全部言う」。
私の場合ですが、はっきり「こうしてほしい」と決まっていることは実は少なくて、もっと私を気遣って!いつも見ていれば言わなくてもわかるでしょ?と思っているだけ、ということが多いんです。
でも、やっぱりしてほしいことは言わないと伝わらないし、はっきり「こうしてほしい」と思えないことは、よく考えると大したことじゃなかったり……
仕事なら「そりゃそうだよね」と言えますが、家族のこととなるとこんなに「言わなくても分かってよ!」と思ってしまうものなんだなあと、実感したのでした。
我が家もまだまだ練習中ですが、「全部言う」「言っていないことは責任を追及しない」というルールが共有されているだけでも、だいぶスッキリしたと思っている今日この頃です。
著者:中村ユイ
年齢:36歳
子どもの年齢:0歳1ヶ月
アパレルメーカーを中心にマーケティング・プロモーションの制作担当としてキャリアを積み、WEBメディアの編集者に。仕事一筋の人生を送る予定が奇跡的に結婚。順調に妊娠までしてしまい、当初の予定とのあまりの違いにおろおろする日々。妊娠してみて、一番辛かったのはお酒が飲めないこと…。
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