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【オスプレイ訓練 八尾受け入れ】「反対せざるを得ぬ」突然の表明、周辺自治体に広がる困惑

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【オスプレイ訓練 八尾受け入れ】
「反対せざるを得ぬ」突然の表明、周辺自治体に広がる困惑

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長と幹事長の松井一郎大阪府知事が政府に対し、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練を八尾空港(大阪府八尾市)など沖縄以外で一部受け入れることを提案する流れとなったことに対し、他の自治体では波紋が広がっている。橋下氏らは八尾空港の地元・周辺自治体には事前に打診しておらず、突然の方針表明に対する反発が上がっている。

沖縄で勝手に“約束”…隣県も「まるで米軍」

 維新幹部によると、今回の提案は約1カ月前、橋下、松井両氏が沖縄の地域政党「そうぞう」の下地幹郎代表と会談した際、下地氏から「オスプレイの訓練を沖縄以外の自治体で受け入れてもらえないか。そうすれば沖縄の負担が減る」と持ちかけられたことがきっかけになった。幹部は「党内議論を経たわけではなく、2人が相談して決めた」と話した。

 これに対し、八尾空港の地元では、周辺自治体からも提案を疑問視する声が上がっている。

 「(オスプレイが配備されている沖縄の)普天間飛行場が市街地にあることで訓練に反対がある。同様に市街地にある八尾空港で受け入れるというのは、安全面を含めて到底受け入れられる話ではない」。八尾市の北側に隣接する大阪府東大阪市の野田義和市長は3日、産経新聞の取材に明言した。

 野田市長によると、同市には松井氏からも大阪府サイドからも説明はないという。市長は「国の安全保障や沖縄の負担軽減への協力は政治家として理解できる」としながらも、突如打ち出された訓練受け入れには、市長として「反対という意思表示をせざるを得ない」と語った。

 県内上空がオスプレイの低空飛行訓練の「オレンジルート」に含まれる和歌山県の仁坂吉伸知事は、3日の会見で、現状では飛行のルートや時間は米軍が決定していることを指摘し、「松井知事は米軍ですかね。受け入れって何だろう。別に批判も何もありませんが、疑問に思った」と皮肉交じりに述べた。

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