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日本のサルが消えかけている…研究者も警鐘鳴らす緊急事態

千葉県のニホンザルがピンチです。

更新日: 2016年02月24日

INFO-RAVENさん

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日本を代表する動物…「ニホンザル」

ニホンザルは本州、四国、九州に広く分布している

外国人観光客に大人気なのが、テレビなどでおなじみの「温泉に入る野生のニホンザル」

彼らがこれほどまでに熱中する理由は「先進国の中で野生のサルが生息しているのは日本だけだから」

ニホンザルは私たちが思っている以上に生物学的にも希少なサルなのです。

そんなニホンザルがピンチになっていた…。

ニホンザルを脅かすのは別の「サル」

ニホンザルを危機に陥れているのは「アカゲザル」という外来種です。

ニホンザルによく似ていますが、尻尾が長いのが特徴。

アカゲザルの生息域は、アフガニスタンやパキスタン、インド、東南アジア、中国である

千葉県にて私営観光施設からの逸出によって1960年代に定着したとされる

想像以上に深刻な交雑問題

定着地域では遺伝子解析によりニホンザルと交雑していることが2004年に確認された

千葉県の調査によれば有害駆除されたニホンザルのDNA検査をしたところ、分析した2362匹の1.6%に当たる38匹でアカゲザルとの交雑が判明。また、139匹が「交雑を否定できない」とされた

房総半島のニホンザル生息域で外来種のアカゲザルとの交雑が進み、国の天然記念物に指定されている千葉県高宕山地区でも交雑していることがわかった

出典朝日新聞:ニホンザル、外来種と交雑止まらず 天然記念物地区でも

千葉県の事例は、我が国で初めてニホンザルの群れの中で交雑個体が確認された事例である

50万年のニホンザルの歴史が消える

交雑が進むとどんな事態になるのでしょうか…。

日本霊長類学会の会長は「交雑の浸透で房総半島の純粋なニホンザルが消滅してしまう恐れもある」と懸念を表明

交雑個体は外見もニホンザルに極めて似ているため、同様の個体を野外で観察してもニホンザルとの判別は簡単ではない

Photo by James Woodson / DigitalVision

見た目では判別できないため、知らないうちに純粋なニホンザルが絶滅してしまう可能性があります。

ニホンザルとアカゲザルは非常に近縁で500,000年前に分化したと推定されている

出典上原重男 「ニホンザル」伊谷純一郎監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科3 霊長類』

Photo by Martin Barraud / OJO Images

つまり50万年のニホンザルの進化の歴史を、私たち人間が台無しにしようとしているのです。

一足先に対策に乗り出していた和歌山県

実は同じような問題が和歌山県でも起きていました。

1998年4月、和歌山県でニホンザルとタイワンザルの交雑ザルが初めて発見された

日本霊長類学会はタイワンザルを全頭捕獲し安楽死させる計画を求め、県が安楽死計画をまとめたが、全国から「殺すのは人間の身勝手だ」などと苦情が殺到した

2001年、1000人にアンケートを行い、動物園で飼育管理するか、安楽死させるかの二者択一形式で、結果は65%の回答率で動物園飼育管理支持が34%、安楽死支持が64%だった

結局、捕獲して安楽死させる計画が実行されました。

今後の取り組みは

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