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今、情報科学において重要な技術のうちの1つとして「人工知能」(AI)が多くの場で議論されている。しかしながら、技術者でない一般的な観点で見た場合に、そもそも「人工知能」というものが一体何なのかが十分に理解できないような議論を目にすることがあるのが現状である。
この記事では、コンピュータの歴史を紐解くことにより、そもそも、人工知能というものが一体何で、ビジネスや社会とどう関わっていくのか解説したい。
そもそも「人工知能」が何なのかについての明確な定義は存在しない。人工知能学会のウェブサイトでも、人工知能の定義そのものが「議論の余地がある」とされており、実際に、人工知能研究自体に2つの立場があるとしている。「人間の知能そのものを持つ機械を作ろうとする立場」と「人間が知能を使って行うことを機械にさせようとする立場」である。
(現在多くの企業が採用している人工知能は「機械学習」と呼ばれるものであり、後者の立場に位置づけられる。機械学習は、人間による知的作業のうちの「論理的な推論」を代替する技術であり、音声や画像、テキストなどのデータを事前に機械に学習させておくことによって、新しいデータを見たときに、自動的に”推測”可能にするというものだ)
ここで注目すべきなのは、いずれの立場に立った場合においても、「知能」とは何なのかについての定義が必要であり、これについての定義は存在しないということである。
「人工知能」について、なぜ、このように、定義そのものがあいまいなのか。また、さまざまな立場が存在するのか。コンピュータの歴史を紐解くと、それが徐々に整理されていくだろう。
近代科学の文脈において、人工知能の研究は、17世紀に始まった 。象徴的な出来事として、ドイツの数学者ライプニッツが「四則演算計算機」を発明したことが挙げられる。当時のライプニッツをはじめとする数学者達は、「知能」のうちの「推論」の仕組みを、論理演算に落とし込もうとし、それを実現する手段として、四則演算計算機を発明したのである。
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