住宅ローンの金利が1%を下回る状況での裏技
どうも千日です。当初10年間で元利均等返済額と同額を貯金し、11年目の全額を繰り上げ返済に回します。すると貯蓄の利回り=1%−当初10年の借入金利で確定します。
この超低金利時代では、住宅資金を借りながら、利息を儲けた上で借入金とほぼ同額の不動産を取得出来る状況にあるのです。
そんなバカな…
同感です。しかし現実として今はそんな経済情勢なんです。
条件は当初10年の住宅ローンの利率が住宅ローン控除率の1%を下回っていることです。今、住宅ローンが組める人なら誰もが可能です。
全期間固定のフラット35sの場合
フラット35sの当初10年の固定金利は0.91%です(三井住友信託銀行、楽天銀行の2016年2月実行分)。住宅ローン控除率の1%を0.09%下回っていますね。
ということは、確定利回り0.09%の貯蓄をした資金で住宅を購入したのと同じ効果を得ることが出来ます。
2,000万円借入で当初10年固定のフラット35s期間20年でボーナス払いなし
フラット35sの当初10年固定金利0.91%の約10年間に払う利子は139万5,884円です。これに対して約10年間の住宅ローン控除の額は148万2,096円。両者の差は−86,212円となり、実質的にマイナス金利になります。
11年目の1月にローン残高の約1千万円を全額繰上げ返済すると、1月の利子10,541円が発生するだけですから、トータルで75,671円の『儲け』が確定します。
むろん、住宅ローンの完済によって住宅は名実共に自分のものになります。
つまり、10年間の元利均等返済額と貯蓄によって75,671円を儲けた上で2,000万円相当の不動産を手に入れたのと同じことになりますよね。
目安として、返済額と同額位を貯金できればこれが可能になります。
3,000万円借入で当初10年固定のフラット35s期間20年でボーナス払いなし
フラット35sの当初10年固定金利0.91%の約10年間に払う利子は209万3,825円です。これに対して約10年間の住宅ローン控除の額は222万3,241円。両者の差は−129,416円となり、実質的にマイナス金利になります。
11年目の1月にローン残高を全額繰上げ返済すると、1月の利子15,812円が発生するだけですから、トータルで113,604円の『儲け』が確定します。
むろん、住宅ローンの完済によって住宅は名実共に自分のものになります。
つまり、10年間の元利均等返済額と貯蓄によって113,604円を儲けた上で3,000万円相当の不動産を手に入れたのと同じことになりますよね。
目安として、返済額と同額を貯金できればこれが可能になります。
11年目の1月にローン残高を全額繰上げ返済すると、1月の利子15,812円が発生するだけですから、トータルで113,604円の『儲け』が確定します。
むろん、住宅ローンの完済によって住宅は名実共に自分のものになります。
つまり、10年間の元利均等返済額と貯蓄によって113,604円を儲けた上で3,000万円相当の不動産を手に入れたのと同じことになりますよね。
目安として、返済額と同額を貯金できればこれが可能になります。
4,000万円借入で当初10年固定のフラット35s期間20年でボーナス払いなし
フラット35sの当初10年固定金利0.91%の約10年間に払う利子は279万1,768円です。これに対して約10年間の住宅ローン控除の額は296万2,672円。両者の差は−170,904円となり、実質的にマイナス金利になります。
11年目の1月にローン残高を全額繰上げ返済すると、1月の利子21,083円が発生するだけですから、トータルで149,821円の『儲け』が確定します。
むろん、住宅ローンの完済によって住宅は名実共に自分のものになります。
つまり、10年間の元利均等返済額と貯蓄によって149,821円を儲けた上で4,000万円相当の不動産を手に入れたのと同じことになりますよね。
目安として、返済額と同額を貯金できればこれが可能になります。
11年目の1月にローン残高を全額繰上げ返済すると、1月の利子21,083円が発生するだけですから、トータルで149,821円の『儲け』が確定します。
むろん、住宅ローンの完済によって住宅は名実共に自分のものになります。
つまり、10年間の元利均等返済額と貯蓄によって149,821円を儲けた上で4,000万円相当の不動産を手に入れたのと同じことになりますよね。
目安として、返済額と同額を貯金できればこれが可能になります。
当初10年固定金利タイプの場合
3大メガバンク(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行)の当初10年固定金利タイプの金利もそれぞれ1%を下回る金利になっています。
- 三菱東京UFJ銀行 0.8%(2016年3月予定)
- みずほ銀行 0.875%(2016年3月予定)
- 三井住友銀行 0.9%(2016年3月予定)
三菱東京UFJ銀行の0.8%であれば住宅ローン控除率の1%を0.2%下回っています。
ということは、確定利回り0.2%の貯蓄をした資金でほぼ同額の不動産を購入したのと同じ効果ですね。
元利均等返済額と貯金額の合計はフラット35sとだいたい同じになります。
2,000万円を35年、ボーナス払いなしで10年1カ月目に全額返済
3,000万円を35年、ボーナス払いなしで10年1カ月目に全額返済
4,000万円を35年、ボーナス払いなしで10年1カ月目に全額返済
一括返済したら貯金が無くなる人にはお勧めしません
全額一括返済するとローンは無くなりますが、当然、現金も無くなります。
何かのアクシデント、子供の進学によってお金が必要になった時に「現金が無い」というのでは本末転倒です。こんなに金利が安いのは、住宅ローンだけなんですよ。
例えば
全期間固定のフラット35sなら11年目以降の金利は固定で1.21%です。どうせ借りなければならなくなるなら、繰上げ返済せずに借りたままにする方が賢い選択ですよね。
参考 大学4年間にかかる学費の目安
国立大学(自宅)509万円
国立大学(自宅外)799万円
私立文系(自宅)640万円
私立文系(自宅外)922万円
私立理系(自宅)767万円
私立理系(自宅外)1,051万円
私立医歯系(自宅)2,680万円
私立医歯系(自宅外)3,080万円
大学4年間でかかる学費・生活費はいくら? [学費・教育費] All About
贈与税の非課税枠を利用する方法もあります
贈与税は年間110万円までは無条件に非課税です。
親からの相続税の節税対策としての生前贈与で年間110万円ずつ援助してもらえば、それだけで10年間で1,100万円の貯蓄が可能となります。
そうすれば11年目にある程度の貯蓄を残しながらローン残高を一括返済することが出来ますよね。
親から住宅資金の援助を受けた場合の非課税枠は使えるか
消費税の増税によって住宅需要が落ち込むのを防ぐために、親や祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の枠が拡大されています。
No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|贈与税|国税庁
- 消費税8%なら非課税枠700万円
- 消費税10%なら非課税枠2,500万円
てことは、これも使えないの?
と思いますよね。
この制度の対象は、あくまで住宅取得の資金なんです。つまり頭金などの住宅の代金に充てられる資金が対象なんです。
住宅ローンは住宅の取得資金を銀行から借りることです。住宅ローンの返済は銀行に対する借金の返済です。
借金の返済は住宅取得の資金とはみなされませんので、この制度の適用はありません。
まとめ
いかがでしょうか。反応は様々でしょうね。
おお〜コレは良い事を聞いた!
ウチには関係無いな…
何言ってるかサッパリ分からん
お金持ちには益々お得な仕組みです。しかし、資産家にとっては預金利息が減る方が辛いかもしれませんね。
いずれにせよ、これから住宅を購入したいという人にとっては皆等しく、約10年間は実質マイナスのローン金利に出来る事に変わりはありません。
10年先にどうなっているか不安だ…
いえいえ、来年どうなっているかも読めない不透明な経済情勢下で、今から10年間の利益が確定するというのは、むしろ恵まれているんですよ。
蛇足
住宅の取得・所有、住宅ローンの借入には税金や手数料が別途かかりますのでトータルで利益が出るという事ではありません。
その点は悪しからずご承知下さい。
以上、千日のブログでした。
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