世界中で警告続々 「糖質制限ダイエット」は本当に安全か
■脳梗塞や心筋梗塞のリスクも
東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授は言う。
「アテローム性動脈硬化症は血管内壁にコレステロールなどが沈着して起こります。過度に炭水化物を減らしてタンパク質や脂質を多く摂取すると、動脈硬化巣が炎症などでもろくなる可能性があり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まっていくのです」
日本でも、13年に国立国際医療研究センター病院の糖尿病内分泌代謝科の能登洋医長(現・聖路加国際病院内分泌代謝科医長)の研究で、「糖質制限食を5年以上続けると死亡率が高まる」と報告されている。30歳以上の約27万人を対象に5~26年間追跡した調査を分析したところ、糖質を1日の総摂取エネルギーの30~40%にした低糖質グループは、60~70%にした高糖質グループに比べて死亡率が31%アップすることが分かった。