クライストチャーチ地震から5年の追悼 復興担当相に抗議も

  • 2016年02月22日
地震で大きく損壊したクライストチャーチ大聖堂(21日) Image copyright Getty Images
Image caption 地震で大きく損壊したクライストチャーチ大聖堂(21日)

5年前の2011年2月22日午後12時51分にニュージーランド・クライストチャーチ周辺を襲った地震の犠牲者追悼式典が22日、市内の植物園で行われた。追悼式にはマテパラエ総督やキー首相ら政府要人も出席した。

報道によると、式典が終わると、ブラウンリー地震復興担当相に近寄り頭に茶色い液体のようなものをかけた男性がいた。復興担当相は地元ラジオに対して、「知らない男が近寄ってきて、『これはあんた用だ』とだけ言った」と説明した。アイスクリーム容器に入っていたものが何か、ブラウンリー氏は推測を避けたが、「あまり良い臭いはしなかった」とだけ述べた。

警備がただちに復興担当相と首相を現場から遠ざけた。復興担当相はこの日、追悼式に先立ちテレビの生中継でインタビューに答えている最中にも、「ジェリー・ブラウンリー、あんたは最低だ。あんたの仕事ぶりは最悪だ」と野次を飛ばされていた。

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Image caption 185人分の椅子を並べて地震の犠牲者を追悼するアート作品がクライストチャーチの植物園に展示されている
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Image caption キー首相(左)とブラウンリー復興担当相(22日)

5年前の地震はマグニチュード(M)6.3。震源が地下5キロと浅く、お昼時間に発生したため、被害がことさらに大きかった。ニュージーランドでは80年ぶりの大規模な自然災害で、185人が死亡したほか、市内中心部が激しい被害を受けた。

犠牲になった人たちの約7割が、崩壊したカンタベリー・テレビ(CTV)ビルで被災した。ビル内には語学学校があり、日本を含めて多くの国から来ていた語学留学性が死亡した。

数千戸の住宅が壊れ、今でも多くの市民が保険の支払いを待っている。

(英語記事 New Zealand remembers victims of 2011 Christchurch earthquake