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 ミャンマー国軍の日刊紙ミャワディは23日、ミンアウンフライン最高司令官が憲法の条項に早急に変更を加えることに反対する発言をしたと報じた。昨年11月の総選挙で大勝した国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー党首の大統領就任に否定的な意向を示したと受け止められている。

 総選挙で国会の議席の過半数を得たNLDは、国会議員の投票で選ぶ大統領に自党が推す候補を選出できる。だが、軍事政権下で定められた現憲法は、外国籍の家族がいる人物は大統領になれないと規定。亡夫や息子が英国籍のスーチー氏は現状では就任できない。

 NLDは2月1日招集の新国会で大統領選出手続きを3月中旬まで先延ばしにして、スーチー氏の就任を模索。憲法条項の一時凍結をめざして、国会に4分の1の軍人議員枠を持つ国軍と交渉してきたとされる。スーチー氏は今月17日にミンアウンフライン氏と3回目の会談を行っていた。

 だが、ミャワディ紙によると、司令官は22日、「憲法は、(改正について定めた)第12章の規定によって、適切な時期に改正すべきだ」と語った。これについて、NLD法律顧問のコーニー氏は「一時凍結に賛成しない意向を示した」と述べ、NLDの国会議員もスーチー氏の大統領就任の見通しについて、「状況は良くない」と語った。(ヤンゴン=五十嵐誠)

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