ラーメン店でも、ファミレスでも、店員と会話するのは緊張する。
別に店員は機械的に対応しているだけだし、客である自分は気にする必要はないのかもしれない。
しかし、自分の声が小さいのか、聞き取りにくい汚い声質だからなのか、注文の時に聞き返されたり、無反応だったりするとビクッとなる。
だから、できる限り大きく声を出そうと変な風になるのだ。
同じような人間を見たことがある。
自分は持病の治療で、肌がにきび跡やらでメチャクチャになった時から彼と連むようになった。
彼の容姿を見るといつでも不快になるので、極力見ないようにしていた。
ここ数日前に、旅行に一緒に行ったが、彼の容姿や仕草が不快で、連絡先を消した。
彼も、店員との会話などにビクビクしている。
汚い声を、できる限り通るように、大きな声で出していて不快になる。
友人との共通点は店員の顔を見ながら注文していないことだろう。
しかし、今まで容姿であまり良い思いをしない二人は、世間から出来る限り人に顔を見せないように習慣づけられているのだ。
だから、間違いを恐れて出来る限り人に迷惑をかけないように、ビクビクしながら生きなければいけないのだろう。
それは、客としての立場の時だって、店員にバカにされるかもしれないという恐怖があるので、金を持ったところで変わらない。
醜男の友人は信号を渡っている時でさえ、曲がろうとしてきた車が横断歩道を渡りたそうにしていると、ビクビクしたように滑稽に走りだす。
持病で出来るかわからない、良くなるかわからない整形でもやって少しでもマトモな容姿にしないといけない。
もうと失笑され続けるのは、嫌だ。