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 NHKは23日、子会社「NHKアイテック」の社員が約2億円を着服したとされる問題で、籾井勝人会長以下10人の執行部役員全員と、2月に退任した2人の専務理事の計12人が役員報酬の一部を自主返納すると発表した。

 返納する割合は籾井会長が50%、関連事業や技術、コンプライアンスに関わった5人が30%、その他の6人が10%で、期間は全て2カ月分。外部の弁護士の見解も踏まえて調査したが、役員や職員に法的責任を問える違反があったとまでは言えないと判断し、役員報酬を自主返納する形になったという。

 籾井会長は「子会社の社員による不正行為が長期にわたり、これを見過ごしてきたことは指導監督の責任を果たすべきNHKとして痛恨の極み」などとするコメントを発表した。

 NHKアイテックでは、久保田啓一社長ら常勤取締役5人の辞任がすでに発表されている。関連事業を統括するNHKの井上樹彦理事は「企業風土を一新し、できるだけ速やかに新体制をスタートしたい」と語った。(後藤洋平)