個人が匿名性を維持したまま社会につながるにはどうしたらよいのだろうか?
いまや多くの企業が、フェイスブックやツイッター、LINEをはじめとするソーシャルメディアを自社の販促に積極的に活用しようと取り組んでいる。だが悲しいかな、その努力は必ずしも成果には結びついていないようだ。
企業はステークホルダーと貨幣経済においてコミットしている以上、投じた金額に見合うリターンがなければその施策を長く続けることはできない。とはいえ、一度のトライですぐに手を引いてしまっては、いつまでたってもソーシャルに消費者とつながることはできない。
「インターネットが実現する心あたたまる関係」と「収益化」を両立させる方法は果たしてあるのだろうか? 今回のコラムから、いよいよ核心にせまっていくことにしよう。
実名を伏せたまま
社会につながる手段としての「企業」
前回の連載で指摘したソーシャルメディアによる個人の繭化の問題に対する処方箋は、実名性を高める方向ではなく、匿名性を維持したまま、社会につながるモデルにあると考えます。
そのモデルを機能させるためには、自らが個々の人々とつながりつつ、同時に社会に強い影響力を持つ存在が求められます。その役割を担えるのはどのような存在でしょうか?私はここで、「企業」という組織にスポットライトを当てたいと思います。
企業はひとつの主体でありながら、複数の人間が連繋して活動することができます。より多くの人々とつながることができます。個人ひとりの力は小さく弱いかもしれないけれど、和になってみんなの力を合わせることで、社会に大きな影響を与えることができます。
企業が、実名性による個人のリスクを軽減し、注目を適切に分配する。また、個人の力を社会につないでいく。個人が企業に貢献する代わりに、企業が個人をリスクや孤独から守る。たとえるなら、イソギンチャクとクマノミの共生のような関係モデルを創るというアイデアです。
それでは、企業がソーシャルメディアを活用するにはどのエリアが適しているのでしょうか?