大学入試シーズンが本格化する中、京都大がユニークで個性的な人材を集めようと、今年度から実施した「特色入試」に対し、受験生ら関係者から「難しすぎる」という声が上がっている。一足先に発表された医学部医学科(定員5人)では、合格者はわずか1人。受験資格からハードルが高いとの声が目立ち、京大内部では早くも特色入試の見直し論も浮上する。ただ、特色入試は、これまでのように各科目で高得点を取る秀才的な学生ではなく、特定の分野に偏っていても卓抜した能力を発揮する「とんがった人材」(大学関係者)というコンセプトがある。そんな人材を発掘するには、「該当者がいなければ合格者ゼロでもいい」という声もあるのだ。(西川博明)
「えっ、合格者1人?」
1月13日正午ごろ、京大吉田キャンパス(京都市左京区)で行われた特色入試初の合格発表。定員5人の医学部医学科の合格者番号が掲示板に張り出されると、驚きの声が上がった。
最先端の医学を研究し、将来のノーベル賞候補を育てることが期待される医学科の特色入試。昨年12月22〜23日、理科を題材にした小論文と面接が実施された。受験生は5人で、志願者倍率は1倍だった。
京大側は、合格者をわずか1人にとどめた理由について「答えられない」(医学部)と明らかにしていない。注目されていた高校2年の飛び級合格もなく、意外な結果となった。
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