【巨人】桜井“野球盤の消える球”「サクラスプリット」解禁!
巨人のドラフト1位・桜井俊貴投手(22)が22日、対外試合初先発となる23日の練習試合、韓国・KIA戦(那覇)で第3の魔球「サクラスプリット」を解禁する考えを明かした。韓国チームが縦の変化に弱点があると分析した右腕は「スプリットを有効に使いたい」と明言。3月中旬に先発ローテの大枠が決まると見られ、それまでに3試合の登板が見込まれる。目標の開幕ローテ入りへ内容と結果が求められる3番勝負の幕が開く。
桜井は気合がみなぎっていた。全体練習後、ただ一人陸上競技場に向かって約20分間、20メートルダッシュを繰り返した。翌日に控えた韓国・KIAとの対外試合デビュー戦へ向けて黙々と調整。18日の練習試合、韓国・LG戦をベンチから見学し「直球に強いイメージがある。でも縦の変化は弱いのかなと。スプリットを有効に使いたい」と秘密兵器を多投する考えを明かした。
8日のフリー打撃で坂本から空振りを奪った浮き上がるような直球「サクライズ」、12日の紅白戦でギャレットを三振に仕留めた決め球のチェンジアップ「サクラチェンジ」で周囲を驚かせてきた桜井。次なる新兵器は直球に近いスピードで小さく落ちるスプリット「サクラスプリット」だ。
スプリットは球種を増やすために昨春から挑戦。昨秋の明治神宮大会1回戦の東北福祉大戦で大会タイ記録の18奪三振をマークした際にはキレが抜群で自ら「野球盤の“消える球”のように消えた」と驚いたほど。調子のバロメーターで、伸びしろもある、さらなる可能性を秘めた球でもある。
スプリットをブルペンで初投げしたのは7日。「腕の振りがよくなってから投げたい」と変化球の中で解禁が一番遅かった。チェンジアップのキレがよかったため、12日の紅白戦でもほぼ投げなかったが、「低めに集めることをテーマに」という桜井にとって、落ちる球に弱いと見た韓国チームは絶好の相手だ。
昨年の実績と現状を考慮すると先発ローテ入りが有力視されるのは菅野、高木勇、ポレダの3人。残る2、3枠を実績ある内海、右肩の張りで2軍調整中のマイコラスや若い田口、今村らと争う。菅野、沢村といった近年の大卒新人投手の事例を見ても3月中旬には先発ローテ入りが内定する見込み。目標に掲げる「先発ローテ入り」へそれまでに3試合に登板予定の桜井は3番勝負の初戦から、エンジン全開でアピールする。
唯一の心配は天気。23日は雨の予報でドラ1右腕も「雨はボールが滑るのでいやです」と懸念する。試合開始時間も午後0時半から2時にこの日変更。高橋監督も「なるべく試合ができる方向にしたい。遅らせて天気がよくなるなら、(さらに)ちょっと遅らせることも考えている」と“晴れ舞台”を用意する考えだ。
「低めに投げることと、1人ずつ集中して投げることを意識していきたい。不安はないです」と胸を張った22歳。新たな武器を駆使して、厳しい競争を勝ち抜く。(安藤 宏太)