前代未聞のメディア制限
世界的な株安など市場の混乱を収束に向かわせるために、国際的な「政策協調」という特大バズーカの導入が期待されているにもかかわらず、26、27の両日、上海で開催される「20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議」の行方に早くも暗雲が漂ってきた。
開催国の中国が、「受け入れ態勢に限界がある」として、取材を認める海外メディアの記者数を大幅に制限していることが明らかになったからだ。
今回のG20は、世界的な金融市場の混乱の元凶として、中国経済の大幅減速や人民元の急落などが “ヤリ玉”にあがる可能性が高い。耳を疑うような話だが、これが中国政府のメディア受け入れ制限に繋がったらしい。
だが、G20のような国際会議で取材記者数に制限を加えるなど、前代未聞の珍事だ。
中国政府がG20の議長国を務めるのは、今回が初めて。言論統制がまかり通るお国柄のためか、国際会議での初歩的なメディア対応ひとつできないことが明らかになった格好である。
今回の中国発の経済危機は、リーマン・ショックを上回りかねない事態として、難しい舵取りが求められ始めている。この程度のメディア対応で躓くようでは、問題の本質的な部分で然るべき対策を講じる能力を期待することは難しいだろう。
中国財政省による海外メディア受け入れ制限の問題は、先週半ば(2月19日夜)、日本経済新聞や産経新聞がインターネット版で報じた。
一部引用すると、「中国財政省はインターネット経由でG20取材の記者登録を受け付けた。だが、日本を含むG20メンバー国のメディアで、登録申請したものの『承認しない』と拒否される記者が続出した。中国財政省は『受け入れ態勢の限界』を理由に、記者の人数に制限を加えていることを認めた。承認状況はまちまちで、統一された基準はないもようだ」という。
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