周囲からのプレッシャーやソニーとの関係
海外ゲームメディアのGameSpotが小島秀夫氏に対して「新しい時代の夜明け」と題したインタビューを行っている。
小島秀夫氏は30年にも及ぶKONAMIとの関係を断ち切り、独立したゲームスタジオ”小島プロダクション”を設立し、現在はソニーをパートナーとして新作の開発に乗り出している。
Q.どのようにあなたは最初のプロジェクトとしての方針を決めたのですか?
当初、30年もの間働き続けた会社を辞めた後は1年くらい休憩することを考えていました。しかしクリエイターであることを止めたら、私はさび付いてしまうでしょう。そこで超大作ではなくともエッジの効いた、小さな映画を作ってみようと考えていたのが最初の考えです。
しかし数人の友人や多くのファンから「誰もがあなたの次のプロジェクトを望んでいる。それは大きな作品でないといけない、寄り道している暇はない」という声をかけられ考え直しました。
Q.あなた自身のスタジオを持つということのプレッシャーなどはどうですか?
多くの人々が関わり期待もされているプロジェクトですから、失敗することができないという感覚はあります。私は彼らを失望させてはいけない。
ソニーと共に働いているので、私に対してソニーが大きな期待を寄せているプレッシャーは感じています。しかしながらそれがゲームに対して何か変質させることはないでしょう。
Q.ソニーはあなたにとっていいパートナーのようです。その理由は彼らがあなたを自由にさせてくれるからでしょうか。ソニーはあなたのプロジェクトに対して何かコントロールしていますか?
彼らは、私が行っていることについて何もコントロールしていません。ソニーは私が行うことに非常に敬意を払った対応をしてくれて、それを嬉しく思っています。
小島氏はインタビューにて、人々は自身に対してナラティブなゲーム体験と強いゲームプレイ性の両方が期待していると語り、自由度とインタラクティブ性を持ち劇的なストーリーを持ったものを作りたいとした。
「どちらかだけを優先するのならば簡単でしょうけど、人々はどちらもを望んでいる。ソニーは我々をプレイヤーに自由度を与えながらも強いストーリー性で引きつけるエッジの効いた大作を作るためにサポートしてくれている」
小島氏に対する最大の誤解とは
Q.人々はあなたについて多くの予想を語っていますが、最大の誤解は何ですか?
多くの人々は私のことをあまりに多くのお金を使いすぎるだとか、時間をかけすぎる人物だと言いますがそれは誤解です。私の直近のプロジェクトでは約6ヶ月ほどの遅延が発生していましたが、私はこれまで常にスケジュールと予算に関する約束を守ってきました。たとえば私のゲーム制作は3-4年ほどの期間が必要ですが、それは最初からそう計画されているのです。
私は自分でポスターやティザー、パッケージを制作するので多くの時間がかかってしまいます。日本のクリエイターはスケジュールにだらしないと有名だったりして、私もそのカテゴリーに分類されているのだと思いますが実際はそうではありません。私の場合、私はディレクターとプロデューサーですから製品と予算については常に気を使ってないといけない立場です。
Q.そのあごひげはいかがですか?
私自身まだこれにあまり慣れていないので、毎日剃ろうかと考えます。無所属となって自身のスタジオを持とうとしたときに、まずは見た目から変えてみようと思ってこうしたのです。国内外からこのひげについては多くのコメントをもらいました。
日本ではあごひげについて間違ったイメージがありますね。「年をとっているように見えるよ、疲れているように見えるよ」と日本の人々は思うようです。私の子供もあまりひげが好きじゃないようです。
インタビュー全文はGameSpotにて公開されている。