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昨日は猫の日だったのね…というわけで「猫侍」

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※玉乃丞、このにゃんこは「あなご」ちゃんかな?

 

ドラマはリアルでは滅多に視ない方だが、この「猫侍」だけはどういうわけか視てた。

俺の住んでいる地域では、放映は深夜時間帯なので、深夜に猫侍を視ながら、にゃんこの可愛さに癒されるというMYTIMEがお気に入りの時間だった。

その「猫侍」であるが、主人公である北村一輝が演じる「斑目久太郎」という浪人と、「玉乃丞」と命名された白いにゃんこが織りなす日常を、ほのぼのとしたタッチで描く独自の世界から、コアなファンを持つコンテンツだ。

ファーストシーズン10話、セカンドシーズンも10話と物語は展開していくが、基本的にはほのぼのとしたストーリー展開であり、時代劇であるにもかかわらず、殺陣等のシーンも、ヒトが死ぬようなシーンがないことも気に入っている。

当の北村自身がいたくお気に入りで、自身が脚本とかに参画していることを聞くにつけ、胸がほっこりした。

まぁ、色々と御託を並べてみたが、ひと言でいえば「いかついオッサンが、にゃんこの可愛さに骨抜きにされる過程を描いたドラマ」というわけだ。

早く視たいな。サードシーズン(^◇^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回の続きを書く。

新学期初日だ。バカ高校の制服に身を包んだ。

「制服はまだしも、靴下、帽子、カバン、みんな学校指定だ。おまけに傘まで指定。どうかしている」、ぶつけようのない苛立ちを抱えながら、家を出た。

途中、近所の奥様連中とすれ違い、いつものように挨拶した。中学時代、県立高校時代なら、「いってらっしゃい」とか「おはようございます」とかの返事が返ってきたのだが、彼女たちは眉をひそめ、無言だった。

「なるほど…バカ高校の制服の威力は最強ってわけか…」

変なところで得心した。

今でこそ、例えば社会人になったら、1年や2年の遅れは、何ということはないと実感しているが、当時、高校1年を2回やるのは異例なわけで、それだけで「もう俺は、負け組だ」とふさぎ込みそうになった。

しかし気力を振り絞って、バスに乗った。一般の乗り合いバスだ。1年前まで同級生、下級生だったヒト達が、それぞれ上級生、同級生となる。その殆どは別の高校に通学する。バカ高校に通学するのは、俺位なものだ。

「あれ?ゆうじゃないの。うっへ~!〇〇高校に入学したのかよ」

そんな声が聞こえてきたが、黙殺した。

視線を向けると、同級生となった元下級生と目があった。

「ゆう先輩、ご愁傷さま」

あたかもそういっているような感じで、憐れむような目で応じてくれた。

「浪人して、もっと難しい高校に入学するならまだしも、名前さえ書ければ入れるバカ高校だもん。俺が彼らの立場でも、同じ態度をとるだろうな」

情けなさや恥ずかしさを通りこして、もう笑うしかなかった。そう、バカ高校での一連の出来事は、悲劇ではなく、喜劇なのだ。

 

バスで揺られること1時間ちょい、バカ高校正面の停留所で降り、正門をくぐったところ、守衛に注意された。

「お辞儀はどうした!」

よくよく説明を聞くと、正門の前にある創立者の銅像に向かって、帽子をとってお辞儀をしてから、校内に入らなければならないとのこと。

「なんじゃい、この学校は!(;´Д`)バッカじゃないの!?」

 

1年生は6クラスだ。1組~4組までは商業科、5~6組は普通科。5組は普通科の就職クラス、6組は進学クラスとなっているが定期テストごとに、5組と6組の入れ替えがある。俺は6組になったが、「進学クラス」といっても、こんなバカ高校だもの。お里が知れている。

入学式やガイダンスがあったらしいが、全く記憶が無い。なぜなら、初めての授業が、他のイベントを吹き飛ばす程のに鮮烈だったからだ。

時間割は、英語、国語、数Ⅰ、化学、地理、体育…そこまではいい。普通科なんだから。しかし、商業一般、珠算と続く。

「おい、腐っても進学クラスだろっ。どうして商業科目が時間割にあるんだよっ」

もっとも、カリキュラムよりも驚いたのは、授業の内容だった。

英語の授業は小文字の解説から始まった。

「オマエら、英語は大文字だけじゃないぞ。むしろ小文字が大切なんだ。英文の中で小文字の方が多いからな。筆記体は覚えなくてもいい。大切なのは活字体、それも小文字だ。オマエらが陥りやすい盲点だがな、よく聴けよ。BとDは判別できるよな。でもこれが小文字になるとbとdになる。これは判別しにくいだろ?でっぱりが右向きなのがbで、左向きなのがdだ。そこを注意しろ」

教員は得意満面に解説する。

「え~!まじかよ~!(;´Д`)」

心の中で叫んだ。周りを見ると、クラスメイトは一生懸命、板書されたB、Dとb、dそれぞれを矢印で結んで、ノートに書いてる。

思わず目まいがした。

ここまで書けば、想像できるだろう(笑)。数学の授業は九九から始まった。

「いいか、数学の基本は九九だぞ。1の段、2の段は簡単かもしれないが、3の段以降が要注意だ。中でも7の段、これが難しい。つまり7の段を制する者が九九を制し、数学も制するのだ」

「おい、論理、飛躍し過ぎだろう(;゚Д゚)!それ以前に九九って何よ!」俺は頭の中が真っ白になっていった。

そんな刹那、教員は「ゆうって言ったな。7の段を言ってみろ」と俺を指名した。

「まじかよ~!(;゚Д゚)」と思いながら7の段を言った。

「さすが県立高校出身だな。よどみがない。スラスラしている」と教員は誉めてくれたが、俺は当然ながら、バカにしているとしか思えなかった。

地理の授業は、都道府県と市町村の違いから説明された。

都道府県はな、北から北海道、青森県と下がっていって沖縄県まで47つあるんだぞ。札幌は県ではないぞ。市だ。北海道の中にある市が札幌で、札幌の中に北海道があるんじゃないからな。その大小の関係を間違えるなよ」

「もう、勘弁してくれ~!ヒトオモイに殺してくれ~!(≧◇≦)」と思った。このバカ高校、想像以上の破壊力だ。

 

高校入学する前は、「とりあえず高校卒業しなければ」という思いだったが、次第に「履歴書に書く最終学歴がこのバカ高校だったら、末代までの恥となる。大学まで行こうかな」という気持ちへと、入学早々、変わってきた。

しかし、悲しいかな、こんな授業で果たして、大学入試を突破出来るのか。素人の俺からしても、「絶対、無理じゃん(´;ω;`)…」…

入学早々、「こりゃあ、先が思いやられるわ~」…思わずため息をついた。