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「育鵬社」 教育長に検定途中の教科書閲覧させる
2月22日 17時48分

「育鵬社」 教育長に検定途中の教科書閲覧させる
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中学校の歴史や公民の教科書を作成する「育鵬社」が、どの教科書を使うかを決める「採択」の権限がある教育長に検定途中の教科書を閲覧させていたことが分かりました。教科書会社を巡る一連の問題で教育長の閲覧が明らかになるのは初めてで、文部科学省は採択の公正性に疑念を生じさせる行為だとして詳しく調べています。
この問題は、小中学校の教科書を作る12社が外部に見せることが禁じられている検定途中の教科書を教員らに閲覧させたり金品を渡したりしていたもので、関わった教員などは5157人に上ります。このうち、中学校の歴史や公民の教科書を作成する「育鵬社」は、昨年度35人に検定途中の教科書を閲覧させたと報告していましたが、6人は教育長だったことが新たに分かりました。
教育長は教育行政の事務局トップで、自治体が使用する教科書を決める「採択」で最終的な決定権を持つ教育委員会の一員でもあります。教科書会社を巡る一連の問題で教育長に閲覧させていたことが明らかになるのは初めてです。
育鵬社などによりますと、6人は当時、福井県、大阪府、広島県、山口県、愛媛県の1府4県にある合わせて6つの市の教育長で、NHKの取材に対し「あいさつだと言って訪ねてきて見せられた。ざっと目を通しただけで金品も受け取っていないが、検定中の教科書だと気付いた時点で断るべきだった。脇が甘かったと反省している」などと話しています。
また育鵬社は、「教育長はプロ中のプロであり、よりよい意見を聞くことができると思った。採択が目的ではなかったが不適切だった」と話しています。
これら6つの市で育鵬社の教科書を新たに採択したところはありませんが、文部科学省は採択の公正性に疑念を生じさせる行為だとして、影響などを引き続き詳しく調べています。

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