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人材育成の火を消さないために。
働く個人のキャリアづくりを応援し、人材育成の大切さを説き続けて、20年近くになります。90年代始めのバブル崩壊以後の失われた10年。2006年まで就職氷河期は続き、失われた15年になってしまいました。2007年から2008年に、「人を大切に育て・活かす」ことの大切さに気づき力を入れる企業や団体が目立ち始めました。学校教育においてもゆとり教育の見直しやキャリア教育のテコ入れ機運が高まりました。やっと私の声に耳を傾けてくださる大人が増え始めました。
ところが。2008年下期から吹き荒れる不況の波で、「自分さえよければ」といった短期視点の利己主義が蔓延しています。”100年に一度”を言い訳に、和を重んじる日本企業が本来もつ良さをないがしろにし、自社の短期利益のみを考え、人員リストラを正当化する風潮すらあります。「人を尊重し大切に」「育てる責任を」。こう主張する大人も少数派に戻りつつあります。その結果、人を育てる火が風前の灯になりつつあります。
巨大人口を抱える生産国が消費国への仲間入りを果たすなか、地球資源の枯渇が問題視され、有効活用が叫ばれています。しかし、限られた地球資源をシェアし有効活用しなければならなくなってきたのは、モノだけの問題ではありません。少子高齢化が進む先進国においては、人の問題も同じなのです。ここに気づけないままでは、現代は、遠い未来の識者から、失われた20年、30年と言われる暗い時代になるやもしれません。
上司と部下、大学と企業、正社員と非正社員、男性社員と女性社員、経営と現場、自社と顧客・・・、先人たちがよかれと思い作ってきた組織や立場。短期視点では効率化が進んだと思いきや、長期視点では利己主義を蔓延させる原因になってしまいました。核家族化、独身層の増加もあいまって、社会では、無用な区別が助長され、さまざまな断絶や弊害が生まれています。世界中で、識者がチームワークや利他主義を声高に訴え始めるほどです。
しかし。人は一人では仕事ができない。人は一人では生きられない。人と人は必ずわかりあえると私は信じています。コミュニケーション改革によって、利他主義を浸透させ、働く喜びを仲間とともに享受できる社会は必ず作れます。働くことは、社会の中で他者とつながり、自己の存在意義を確認するプロセスでもあるのですから。
私は、せっかく灯った人を育てる火を消したくありません。働く一人ひとりの未来のため、企業の未来のために。ひいては、この国の未来のため、子供たちの希望のために。小さな人材育成企業ではありますが、人を育てる火を守り大きくするため努力し続ける所存です。
2009年夏 前川 孝雄 |
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| 1966.09.30 |
兵庫県生まれ。 |
| 1989.03.31 |
大阪府立大学経済学部卒業 |
| 1989.04.01 |
株式会社リクルート入社 |
| 1997.03.31 |
早稲田大学大学院
ビジネススクール
マーケティング専攻 卒業 |
| 2007.12.31 |
株式会社リクルート卒業 |
| 2008.01〜 |
人材活性化コンサルタント・キャリアナビゲーターとして 活動開始
(企業の人材育成・組織活性化・学校・個人のキャリア支援) |
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リクルートにて「リクナビ」「リクナビCAFE」「就職ジャーナル」「ケイコとマナブ」「好きを仕事にする本」「Tech総研」など史上最多ともいわれるキャリア応援メディア編集長を歴任。
働く個人の本音に精通した知見から、数々の組織を活性化させ、「人を活かす前川」として評判に。 FeelWorksでは、企業や学校での人材育成・組織活性化のコンサルティングにあたりつつ、キャリアナビゲーター・前川タカオ名で個人のキャリアづくりも応援。キャリア、コミュニケーション、リーダーシップ関連の雑誌連載、寄稿も多数。年間約100本の取材対応、100本超の講演もこなし、その親しみやすい人柄にはファンも多い。著書が好評で始まったダイヤモンド・オンラインでの連載「部下の心をつかむ上司力」はアクセスランキング一位になるなど、部下を活かす「上司力」を提唱する第一人者でもある。
著書に『上司力トレーニング』『女性社員のトリセツ』 『上司より先に帰ったらダメですか?』(ともにダイヤモンド社)、『頭痛のタネは新入社員』(新潮社)、『サバイバル・コミュニケーション術』(すばる舎)、 『冷めたチームに火をつける、組織「再起動」プログラム』(ビジネス社)、『上司力100本ノック−部下を育てる虎の巻』(幻冬舎)など多数。
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