深田萌絵さんが代表清算人勤める会社が、三菱東京UFJ銀行に一部勝訴した判決文を閲覧して来ました。
 
事件番号 地裁 平成27年ヒ 19438 高裁 平成27年ネ 6276 高裁7部
原告 revatron株式会社 代表取締役(清算人) 浅田麻衣子(深田萌絵)
被告 株式会社東京三菱UFJ銀行(以下、「三菱銀行」)

判決 平成27年11月27日 地裁26部 水橋巌
1 被告は、原告に対し、15万6927円を支払え(仮執行なし)
2 原告のその余の請求は棄却する。
3 訴訟費用は9割原告負担1割被告負担

請求の趣旨(深田さんの主張)
  被告は、原告に100万円を支払え
  被告は、原告に15万6927円を支払え
  訴訟費用は被告の負担とする。
この判決は、仮に執行することができる。

事案の概要+請求の理由要旨
 平成25年10月31日アルファIТシステムが原告に対して1011万4245円の債権を有するとして、原告の三菱銀行に対する預金債権について仮差押え命令を受ける(平成25年ヨ3466)。当時の預金額は15万6927円。これを受けて、三菱銀行は原告に払い戻さず。
 登記簿上では、マイケル(仮名)は、 revatron株式会社の代表取締役を平成26年1月27日に辞任し、2月12日登記している。その後、原告は平成26年10月17日に解散し、現在の代表清算人は、浅田麻衣子。
1 平成25年ヨ3466で差押を受けたのは「revatron株式会社代表取締役マイケル(仮名)」の口座であるのに、「revatron株式会社代表取締役(清算人)浅田麻衣子(深田萌絵)」の三菱銀行の口座資金を引き出した。弁護士費用など100万円を支払え
2 「revatron株式会社代表取締役(清算人)浅田麻衣子(深田萌絵)」の三菱銀行の口座には、15万6927円の預金債権があるから、支払え。

判決理由
1.  「(revatron株式会社代表取締役マイケル(仮名)とrevatron株式会社代表取締役浅田麻衣子(深田萌絵)の口座は)形式的な表記が同一ではない。しかしながら、(中略)本件預金口座が本件差押え命令にかかる仮差押え債権であることを識別することが可能であったということができる。
 以上によると、本件預金口座は、原告の責任財産に帰属するものとして、本件差押命令の効力が及ぶものであったと言える。

2.  「仮差押えの執行によって、当該債権につき、第3債務者は支払いを差し止められ、仮差押え債務者は取立・譲渡等の処分をすることができなくなるが、このことは、それらの者がその禁止に反する行為をしても、仮差押債権者に対抗しえないことを意味するにとどまり、仮差押え債務者は、その債権について、第3債務者に対して給付訴訟を提起し又はこれを追行する権限を失うものではなく、無条件の勝訴判決を得ることができると解するべきである。そして、第3債務者が2重払いの負担をまぬかれるためには、当該債権に差仮差押えがされていることを執行上の障害として執行機関に提示することにより、執行手続きが満足的段階に進むことを阻止しうるものと解すれば足りる。(最高裁昭和48年3月13日)
 そうすると、本件預金口座の預金額の払い戻しを求める原告の請求は、本件仮差押え命令を理由に妨げられないものというべきである。
 
3.  本件預金口座は、原告の責任財産に帰属するものとして、本件仮差押え命令の効力が及ぶものであるから、本件仮差押え命令に係る仮差押え債務者である原告は、訴訟追行の権限を失うものではないが、本件預金口座に係る預金の取立、譲渡等の処分ができなくなり本件仮差押え命令に係る第3債務者である被告は、その支払いを差し止められ、執行抗告や執行異議によって執行手続きが満足的段階に進むことを阻止しうる立場にあったのである。そうすると、被告が原告に対して本件差押え命令に基づいて本件預金口座が仮に差押えられたとしてその払い戻しを拒絶した対応に違法不当な点があったということはできない。
 
 よって、原告の請求は、主文第1項の限度で理由があるから容認し、その余は理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条、64条をそれぞれ適用し、仮執行宣言については、相当でないからこれを付さないこととし、主文の通り判決する。
 地裁26部 水橋巌 27年11月27日言い渡し

※ この記事は、客観的事実のみを示すもので、ブログ管理人としては、原告ないし深田萌絵さん、被告、あるいは訴外アルファアイテーシステムないし、その代表者である藤井一良氏のいずれにも加担するものではありません。ブログ管理人は、意見を表明する意思はありません。

※ 私が中国人であるとの書き込みがあるようですが、完全な日本人です。過去に中国語を勉強したことがあり、中国語検定の二級とHSK6級に合格しています。
中国語の学習については、こちら。ほとんど更新してませんが。
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