読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アンノン・ゲーム

人生は未知のもの。だから、私は書き続ける-。

真田丸・第7話「奪回」感想

ドラマ感想 大河ドラマ・真田丸

※あらすじ

 

信長亡きあとの上野は、混乱していた。

 

旧織田家の重臣だった滝川一益段田安則)は、

北条氏政(高島政伸)が派遣した軍と戦い、敗北してしまう。

 

昌幸(草刈正雄)は滝川と北条が激突している隙をうかがい、

もともと真田領であった岩櫃と沼田の城を奪い返した。

 

しかし、信繁(堺雅人)の祖母のとり(草笛光子) と、

彼女に付き添っていたきり(長澤まさみ)は、滝川の人質のままであった。

 

滝川は本国の伊勢に帰って態勢を立て直そうと考えていた。

 

箕輪城に昌幸を招き、酒を酌み交わしながら、

「岩櫃と沼田はおぬしに返す」と言った。

 

その時点では、真田の裏切りを知らなかった滝川だが、

家臣の長崎元家(松田賢二)からの情報で、

すでに岩櫃と沼田を攻め落とされていたことを知る。

 

「嘘ばかりつきおって・・・!」と激昂する滝川は、

とりときりを連れたまま、信濃から出ようと画策した。

 

一方の昌幸は、とりの救出を信繁にまかせ、

自身は上杉景勝遠藤憲一)に会い、小県一帯を守るという約束を取り付けた。

 

信繁はとりたちが小諸城にいることを突き止め、

矢沢三十郎頼幸(迫田孝也)とともに潜入するが、

真田の裏切りを知った滝川の兵に囲まれ、絶体絶命の窮地に陥る。

 

そして、作戦に失敗した信繁は、あっけなく捕らえられるのであった。

 

「何しに来たんですか?」ときりに怒られ、意気消沈するが、

とりは何事もなかったように信繁を励ますのだった。

 

滝川は、旧織田家の今後を左右する清洲での会議に出席するため、

先を急いでいたのだが、福島城主の木曽義昌(石井愃一)が行く手を妨害していた。

 

そこで滝川は、通行するための条件として、

真田からの人質をそっくり木曽に預けてしまう。

 

だが、とりの機転で信繁ときりは真田の郷に帰ることが許された。

 

戻った信繁は昌幸からきつく叱られるが-。

 

 

=======================================================

 

戦国時代は現代人の私たちが想像するよりも、

過酷なものだったのかも知れません。

 

昌幸は「煮ても焼いても食えない男」というイメージですが、

真田という小勢力が生き残るためには、

相手を出し抜いたり、時には裏切るのも仕方なかったのでしょう。

 

でも、滝川一益は気の毒でしたね。

 

昌幸をそれなりに信じて、「岩櫃と沼田の城を返す」と言ったのに、

当の本人は、火事場泥棒のように占領したんですから。

 

まあ、昌幸に言わせれば、

「あれはもともと、わしの城だったんだ!」ということなんでしょうが、

これで滝川との信頼関係は水の泡になってしまいました。

 

人質たちが殺されなかったのが奇跡です。

 

普通は裏切りが発生した場合は、悲惨なことになるんですけどね。

昌幸の行動は、いつも冷や冷やして安心できません。

 

でも、そんな息子を育てたとりは、「真田家の肝っ玉かあさん」です。

 

信繁「こんな事になって、申し訳ありませんでした」

 

とり「ばばも戦国の女子じゃ。

人質になった時から覚悟はしておりますよ。

思うようにいかぬのがこの世。

大事なのは・・・思うようにいかぬ時、いかに振る舞うか。

源次郎、諦めてはなりませぬ」

 

信繁「はい」

 

とり「望みを捨てなかった者のみに道は開ける」

 

思うように行かない世の中は、戦国も今の時代も変わりませんが、

とりの言うように、望みを捨てなかった人に光は射すのかも知れません。

 

木曽義昌は滑稽でした。

 

最初は人質たちの前で威張っていたのに、

自分の子供時代を知っているとりを見て、慌てて小さくなったんですよ。

 

彼も穴山梅雪と同じく、武田信玄の娘婿だったのに、

信長に恫喝されて、主家を裏切ることになりました。

 

典型的な小物の領主という感じです。

 

しかし、とりの言うことを聞いたんですから、

根っからの悪人ではないようです。

 

また、食えない男の昌幸ですが、

息子をちゃんとフォローする姿勢はよかったですね。

 

「失敗続きじゃな、源次郎。

お前がなぜしくじるか分かるか?

己の勘に頼り過ぎるからじゃ。

わしも勘だけで生きておる。

だが、わしの勘は、場数を踏んで手に入れた勘じゃ。

それでも、たまには間違える-」

 

確かに、間違えて貧乏くじを引いたこともありました。

 

「・・・源三郎と源次郎、合わせて一つじゃ。

源三郎は間違いは少ないが、くそ真面目で面白くない。

お前は、過ちを犯すが面白い。

面白くなくては人は動かん。二つで一つじゃ」

 

そして、上杉の家臣・春日信達(前川泰之)を調略しろと、

再チャレンジの機会を与えました。

 

親や身内に認められると、人は自信を持って伸びてゆくものです。

 

信繁がのちに「真田日本一の兵(つわもの)」と呼ばれるようになったのは、

祖母や父親の愛情があったからなんでしょうね。

 

次回も波乱含みの展開になりそうですが、楽しみです。