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2016年02月22日 11時44分 UPDATE

Twitter投稿から選挙結果の予測はできない?──米調査 Twitterは反論

Twitter投稿から選挙の結果を予測できるか? 最新の米調査によると、これは難しいという結果だった。(ロイター)

[ニューヨーク 17日 ロイター]
REUTERS

 政治に関しては“どんな報道であれ効果がある”といわれているが、今週発表された新たな調査結果によると、これは必ずしもTwitterには当てはまらないようだ。

 学術誌Social Science Computer Reviewの調査によると、実際のところ、Twitterでどの程度話題にされているかに基づいてその候補者の選挙結果を予測するのは難しいという。

 調査では、Twitterのデータは“候補者に対する支持率”よりも“候補者に対する関心の度合い”を示す指標としてのほうが正確性が高い、との結論が導かれている。この調査は2013年のドイツ連邦議会選挙を対象としたものであり、Twitterは「今年の米大統領選とは無関係」と強く反論している。

 この調査結果は2月15日に公開された。それによると、政治スキャンダルなどのマイナスの出来事と、個々の実績などのプラスの情報は、いずれも政党や候補者に注目を集めるきっかけになり得るという。

 だがスキャンダルと実績とでは、支持率に及ぼす影響は全く異なる。

 「分析の結果、“ツイート数が多いほど、得票数も多い”という単純な公式は当てはまらないことが分かった」と調査報告書には記されている。

 例えば、選挙運動中の失言の動画クリップが夜のニュース番組で報じられれば、Twitterでの注目度は一気に増すだろうが、だからと言って、政治的な支持率が高まるわけではない。

 「候補者や政党に言及するツイートの量は、テレビで討論会が放送されたり、注目のインタビュー番組に候補者が出演したりなど、その日その日の出来事によって大きく変動する。政治論争やスキャンダルが報道されるかどうかによってもだ」と報告書には記されている。

 さらに調査では、Twitterユーザーが必ずしも実際の人口統計を反映していないことも示された。米国では、TwitterやYik Yakといったソーシャルメディアプラットフォームの多くは、若い世代の有権者の間でより高い人気を誇っている。

 Twitterの広報担当者は、この調査に2016年の米大統領選との関連性はないと主張している。

 「2016年の米大統領選との関連で3年前のドイツのTwitterデータを持ち出すのはいかがなものか」とTwitterの政府渉外報道部門の広報担当者ニック・パシリオ氏は語っている。

 さらに同氏はTIME誌オンライン版の記事にも言及している。2月初めのアイオワ州党員集会では結局、民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のテッド・クルーズ氏が勝利したが、記事によると、Twitterでも党員集会の当日に向けて各候補者に関連する投稿数が実際の得票率と同じように推移したという。

 バラク・オバマ大統領の後任を選ぶ11月8日の大統領選本選挙に向けて、共和党と民主党の候補者は目下、激しい指名争いを繰り広げている。

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