カーストデモ暴徒化で12人死亡、水路閉鎖で首都に影響も インド
2016年02月22日 10:27 発信地:ロータク/インド
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【2月22日 AFP】インド北部ハリヤナ(Haryana)州で先週から、公務員採用などでの優遇措置を求めるカースト集団による暴動が続き、21日までに少なくとも12人が死亡した。暴徒らは用水路を閉鎖し、隣接する首都ニューデリー(New Delhi)では深刻な水不足が発生している。
デモを率いているのは「ジャート(Jat)」と呼ばれる農民らのカースト。公務員採用や大学入試の優先割り当てを求めている。インドは、国内最悪の被差別者を社会の主流に取り込むべく、低位カースト向けに優先枠を設けているが、他の集団は自分たちが締め出されていると反発している。
ハリヤナ州内では21日にも新たな暴動や店舗への放火が発生し、州政府の高官によると、1人が銃撃で、別の1人がデモ隊同士の衝突で死亡。19日以降の死者は少なくとも12人、負傷者は約150人となった。
1週間に及ぶデモが暴動に発展したのを受け、州内では20日、発砲許可を得た兵士が多数配置されていた。
地元警察によると21日には、暴動の中心地となっているハリヤナ州ロータク(Rohtak)県で、暴徒が警察署を襲撃して放火。署に隣接する店舗20棟と学校も内部を破壊されたという。
また、同州に隣接するニューデリーの水処理場へ水を運ぶ用水路が、暴徒によって閉鎖されたとも伝えられており、同市当局は市内全域での給水制限を発表。22日にはすべての学校が休校になると述べた。
今回の問題をめぐり、ジャート指導部と連邦政府のラジナート・シン(Rajnath Singh)内相、インド人民党(BJP)が政権を握るハリヤナ州政府の3者が、デリー(Delhi)で会談。州のBJP幹部は会談後、記者団に対して「州議会の次の会期中にジャートに優先枠を与える法制化を行うことを決めた」と述べ、州政府がジャート側の要求を受け入れたことを明らかにした。(c)AFP/Sajjad Hussain WANI