ワシントン=奥寺淳
2016年2月22日11時18分
北朝鮮が1月6日に核実験を強行する前、米国に対し、平和条約を結ぶための交渉を持ちかけていたことが21日、わかった。米国務省が明らかにした。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は米朝がやり取りをしたが、米側が朝鮮半島の非核化を求めたため、決裂したと伝えた。
北朝鮮はこれまでも、朝鮮半島の休戦協定を平和条約に転換するように求めてきた。今回は提案の後に核実験に踏み切っており、本気で交渉をする意思があったのかは不明だ。
米国務省のカービー報道官は21日、平和条約について話し合おうと提案してきたのは北朝鮮だったとしたうえで、「我々は慎重に検討した結果、(朝鮮半島の)非核化が議論に含まれるべきだとの考えを明らかにした」と述べた。これに対し、北朝鮮は米側の提案を拒絶したという。カービー氏は「今回の対応は、非核化を求めるという以前からの米国の立場に沿ったものだ」とも付け加えた。
ウォールストリート・ジャーナルによると、米朝はニューヨークの国連代表部を通じた非公式ルートでやり取りをした。北朝鮮の核問題を話し合う6者協議の再開には、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を示す必要があるというのが、米政府の基本的な立場。ただ、その前段階での対話にはより柔軟で、ここ数年、このルートを通じて対話を打診してきた。(ワシントン=奥寺淳)
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部
PR比べてお得!