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【スポーツ】[競歩]高橋英輝が連覇でリオ内定2016年2月22日 紙面から
◇陸上日本選手権20キロ陸上のリオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権20キロ競歩が21日、神戸市六甲アイランド甲南大周辺コースであり、男子は昨夏の世界選手権に出場した高橋英輝(えいき、23)=富士通=が1時間18分26秒で2連覇。日本陸連が定めた派遣設定記録(1時間20分12秒)突破と日本人1位の条件を満たし、初の五輪代表に内定した。2大会連続の五輪出場を目指す藤沢勇(28)=ALSOK=が19秒差の2位。女子は岡田久美子(24)=ビックカメラ=が自己ベストの1時間29分40秒で2連覇を達成したが、派遣設定記録(1時間29分15秒)に達しなかった。 初の五輪代表を射止めるゴールテープをつかむと、高橋は「ヨッシャーー!」と雄たけびを上げた。胸にこみ上げてくるのは、恥骨結合炎の影響で欠場した世界記録保持者の先輩・鈴木雄介(28)=富士通=の無念さだ。「雄介さんの分までリオではメダルを目指して頑張ります」と語る表情には、日本競歩界を引っ張っていく責任感と自覚がみなぎっていた。 これまでは高速ウオーカーの鈴木にレースを引っ張ってもらい、ラスト勝負で逆転を狙う戦略が多かった。1年前の日本選手権ではこの作戦が当たって初優勝。「歩型がきれいな雄介さんの後ろにいると、レース中でも自分の歩型が良くなっていく」という利点もあるが、ペース配分を先輩に委ねることで、おのずと受け身の姿勢が身に着いていく。先導役の鈴木が途中棄権した昨夏の世界選手権で47位と惨敗した結果は、高橋の弱点を浮き彫りにした。 しかし、痛みで練習もままならぬ鈴木の姿が、独り立ちへの自覚を促す。昨年11月から歩型を気遣いつつ、レースペースで距離を踏む練習に率先して取り組み始めた。指導する陸連の今村文男競歩部長(49)は「ちょうどその時期から主体性と自主性が出始めた」と目を細める。岩手大時代はラーメン店で深夜までアルバイトし、朝食を抜くこともしばしばあったが、現在では栄養サプリメントを欠かさず取るなど食生活の改善に着手。この日のレースで常に先導し、トップでゴールした事実が成長を物語る。 「雄介さんのおかげで20キロ競歩が注目されるようになった。しっかり結果で返したい」。日本の競歩をメジャーにした先輩の思いを胸に、高橋はリオ五輪のスタートラインへ向かう。 (千葉亨) PR情報
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