◇終末戦争を生き残れ!
ポーランドのRPG
「Neuroshima」を原作としたボードゲームです
ニューロシマ漢字にすると
新露死魔、でしょうか。漢字にする意味はありませんがそこんとこ夜露死苦
で終末戦争後の軍団による抗争がテーマです
プレイヤーは
・モレク・ボルゴ・ヘゲモニー・アウトポスト、これら4つの軍団のうちから1つを選びます
このゲームは2~4人でも遊べますが基本は
2人対戦ゲームです
ゲームの最初に
HQ(ヘッドクォーター:司令部)タイルを配置します。HQは
HP20です
そうですお互いのHQを攻撃しあって先に破壊するかゲーム終了時により多くのダメージを与えれば勝ち、というこれは
ガチバトルゲームなのです
*モレク(赤)とヘゲモニー(黄)がまずHQを配置したところ。モレクのHQは隣接する自軍ユニットの遠距離攻撃修正がある。ヘゲモニー(僕)のHQ能力は隣接する自軍ユニットの近接攻撃修正なので、なるべく近くに置いたプレイヤーは自分の軍団タイルを受け持ち、山札として積んでおきます
プレイヤーは
自分の山札から最大3タイルをドローして1タイルをすぐに捨てますそして残りの2タイルをいったん自分の前(ストック)に表向けて置きます
つまり自分の手番でプレイできるのは最大この
2タイルなんですね
その2タイルを
・すぐ使う
・ストックに残す
・捨てるの、どれかを行います(後手プレイヤーも同様に)
(ゲームの最初のターンだけは1枚しかドローできない)
1タイルだけ使って1枚ストックに残してもかまいませんし、2枚残して手番を終了してもかまいません
*ドローしたタイルはオープン。つまり相手がどのタイルを保持するかも公開情報なのだ。ここからすぐに1枚すてなきゃならない。ネット野郎は敵ユニットを封鎖してくれるので残そうかなただし次の手番で
ストックにタイルが残っている場合はドローに制限がかかります
ストックに1枚残った状態ならば2ドローしかできず、2枚ストックに残していると1枚しかドローできません
要するにドロー上限が
3タイル分しかないのです
まあ、だいたい2タイルを使い切ることになるので基本的には3タイルをドローすることになるでしょうが
余分にドローさせて選択肢を与えるやり方は「あやつり人形」以降のモダンボードゲームのメソッドの一つでしょうか(methodの使い方がイマイチ解かってませんが、カッコイイので使ってみました)
さてこの2タイルをどう使うかがこのゲームの肝です
タイルには速効で効果のある
インスタントアクションタイルと、ボードに配置する
自軍ボードタイルの2種類があります
自軍タイルはボードの空いているヘックスに配置して、相手のユニットやHQを攻撃したり自軍を防御するわけですが基本的には
移動も方向転換もできないので置くときによく考える必要がありますユニットで接近攻撃、遠距離攻撃で攻撃し、アーマーで防御したりします
他にはいろいろ
修正を加えるモジュールタイルがあります
しかしこのゲームの面白いところは、
ユニットタイルを配置しただけではまだ攻撃はできない(されない)ところです
戦闘の発生は
・ボード上にタイルが全部埋まったとき、もしくは
・【戦闘】アクションタイルをプレイしたときです
*もう1つはゲームの終了時に最終戦闘が発生しますが
*あと2ヘックス埋めれば即、戦闘開始となる。1タイルだけ埋めて手番を止めてもいいけどそれでは戦闘のタイミングを相手に渡すことになるではその戦闘はどうやって、というか、
どのタイルから順番に処理するの?という話ですがそれを決めるのが
優先値(initiative)です
ユニットタイルは
0~3までの優先値を持っています
そして戦闘が始まったら、その
優先値の大きい順番に戦闘フェイズが実行されるのです
例えば
戦闘の第1フェイズは、優先値3のユニットタイルの行動です
ボード上の優先値3のユニットが、同時に攻撃を行うのです
敵味方関係ありません。優先値3ユニット全てが一斉攻撃するのです(だから相打ちもある)
優先値3のタイルの処理によって、いくつかユニットが破壊されて除去されたら続いて第2フェイズ(優先値2)の実行です
ユニットは基本HPが1なので、1回でも攻撃されたら破壊されボードから除去されます
これを最も低い優先値ユニットの処理まで行ったら、ようやく
戦闘は終了します
*このユニットは優先値が②。その下の矢印アイコンは、このユニットが配置した後も移動できることを表している。機動力を活かせ!
どちらかの
HQが破壊されたら、生き残ってる方がゲームに勝利します
ただし戦闘中に破壊されたとしても、戦闘が終了するまでに相手のHQも破壊すればドローに持ち込むこともできます
もしくは、
ゲーム終了時にどちらのHQも生き残っていたらHPが高い方が勝利します
たいてはこの
残りポイント勝負になるでしょう
スーパーファミコンの
「タクティクスオウガ」などのRPGシミュレーションゲームを遊んだことのある人には、ユニットには
すばやさというパラメータがあり、すばやいユニットが先に動く(攻撃する)ということには馴染みがあるでしょう
「ニューロシマヘックス」でもこの優先値をどう扱うのかは重要です
優先値3の敵ユニットの隣に優先値2のユニットを対抗させても、先に攻撃されて破壊されるのがオチなのですから
第1フェイズ(優先値3)が終わって、生き残っていたら第2フェイズ、さらに第3フェイズ・・・と、
戦闘が進んでいくことを具体的にイメージしてユニットをボードに配置していかないといけないのです
さらにモジュールによってその優先値も上下します
いかに先手を取るのか、取れないにしてもいかに相手に大ダメージを与えるか、そのせめぎ合い、その駆け引きが面白いゲームなのです
重厚長大ないわゆるウォーシミュレーションゲームと比べて、この「ニューロシマヘックス」は手番で配置できるのは最大で2タイルですし、ドロー運もあるのでプレイ感は非常にライトです
それにしても戦闘処理を
優先値でフェイズ処理していく、というアイデアは秀逸です
手番ごとにユニットタイルを配置→すぐに戦闘処理ではどうしてもドロー運に左右されますが、戦闘の解決までにタイムラグを儲けたおかげで、
失敗したなーと思った配置でもうまく
挽回するチャンスがあるのです
ところでこのゲームでは、もう1つ戦闘開始のタイミングがあります
それがインスタントアクションの
【戦闘タイル】の使用です
*戦闘開始するかどうかは重要。損得勘定で、損する戦争をするバカはいないどちらかのプレイヤーが自分のストックにある【戦闘タイル】を使えば、ボード上のヘックスがユニットで埋まらなくても戦闘になるのです
っていうか、多分こちらの戦闘発生の方が基本でしょう
【戦闘タイル】はストックにあるので、使うタイミングはそのプレイヤー次第です
これが
敵対プレイヤーにはプレッシャーです
自分は持っていないのに相手が【戦闘タイル】を持っている場合
こちらにできる事は自軍がなるべく被害を受けないようにするか、できれば相手にダメージを与えたいところですが、
たいていはこちらが損になるタイミングで【戦闘タイル】は使われますw
4つの軍隊はそれぞれ
35タイルづつを持っていますが、その内訳は軍隊ごとに違います
つまり軍隊に特色があるわけです
【戦闘タイル】を6枚持っている軍隊もいれば、4枚しかもっていない軍隊もいます
相手がどのタイルをどのくらい使用したかは気をつけておく必要があります
*当然、自分のタイルも把握してないとしょうがない。優先値を上げるか敵ユニットを押し出すか、うーん悩む・・・。あ、その前にどれか1枚捨てなきゃ。うーん悩む・・・
どちらかが
最後の山札をドローしたら最終ターンです
両者とも手番を実行したら、
最後の戦闘を処理します(最終ターンでは【戦闘タイル】は使えません)
戦闘のタイミングで
相手のHQを攻撃するのか邪魔なユニットを破壊しにいくのか、それとも自分のHQを守るのか
使えるタイルは2枚なので、
なかなか悩ましいです
実はこのゲームは
アプリでも遊べて、これがまたよくできてます
戦闘でのフェイズ処理は
自動でやってくれるので楽ですし、タイルにどういう効果があるのかを確認するにも便利です
*待ち受け画像にしたいくらいかっちょいいグラフィック!だからリアルで対人戦をやるには、少なくとも一人は
ルールに熟知していないと必ず処理ミスするでしょう
やり込み前提なのが難点といえば難点ですが、僕はこの作品世界やコンポーネント、お手軽なウォーゲームという体裁が好きなので
末永く遊んでいきたいなーと思ってます
まあ、
当分はアプリ専門でしょうか
*慣れるまではサマリー必須っす「ニューロシマヘックス」の続編ともいうべきカードゲームが発売されてます
それが
『51番目の州』です

最初、「ニューロシマヘックス」の
カードゲーム版かと思ったのですが、
同じ原作からの派生作品なのでシステム、というか方向性はまったく違います
こちらはなんと拡大再生産型、つまり
「サンファン」や「レースフォーザギャラクシー」のようなゲームなのです
こちらも雰囲気は抜群なのですが、なかなか遊びこむ時間がありません
geekにはデザイナー発案のソロプレイバリアントがあるのですが、これがあまり面白くないwという(ルールを把握するための練習用にはいいかもしれませんが)
*カードゲーム版の続編「新世界」と「コンボイ」もあるでよーということで