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 携帯電話やメール。高校時代から使い始め、今では仕事に欠かせない。ただ便利な半面、どこにいても、何をしていても縛られる。もし断ったら、どうなるだろうか――。30代の記者が1週間、「デジタル断ち」に挑戦してみました。

 島根県に赴任して2年目。主に県庁や島根原発を担当している。デジタル断ちの前に、いくつか条件を決めて同僚と共有した。

 仕事用のスマートフォン、私用の携帯電話、インターネットは原則禁止▽電話連絡は固定電話で▽パソコンはワープロとして使う▽松江総局に1日3回、定時連絡を入れる、など。

■1日目 完全に絶てず

 午前10時、県庁の記者クラブから松江総局に定時連絡。取材先に企画の意図を説明すると、「ネット使わないとか無理でしょ」「電話かけても出ないんですか」。あきれた顔だった。

 この日は留守番役の夜勤。同僚記者が書いた記事を校閲する。記者が用意した資料に加え、インターネット検索などで記事の内容を確認する作業が必要だ。

 初日から、完全なデジタル断ちはできなかった。

■2・3日目 イライラ募る

 県庁と松江総局を拠点に固定電話で取材をする。軽やかな気持ちになるかと思いきや、落ち着かない。

 特に依存気味と自覚があるのがフェイスブック。約450人の「友達」がいて、そのうち約100人が島根や仕事での知人だ。

 普段は取材候補を仕入れたり、メッセージで取材のやりとりをしたり。連絡したい人にすぐ連絡できず、イライラが募った。