労働環境改善を要求 規制委の田中委員長 東電社長と会談
原子力規制委員会が近く東京電力福島第一原発を現地視察するのに先立ち、規制委の田中俊一委員長(福島市出身)は9日、東電の広瀬直己社長と東京都内の規制委で会談し、東電の体質改善や労働環境の改善を求めた。
田中委員長は、一月の規制委の検討会で外部専門家の蜂須賀礼子大熊町商工会長が東電の体質が震災前と同じになりつつあると指摘したことを紹介。「東電の体質は厳しい目で見られている」とし、組織的な対応を求めた。
避難区域が設定された12市町村の首長との意見交換で、福島第一原発の現状に対する不安の声が大きかったことにも触れ、「汚染水漏えいや労働災害が相次いでいることが原因だ」と指摘した。1、2号機共用の排気筒(高さ約120メートル)が鋼材接合部の破断により倒壊の恐れもあるとして、撤去に向けた検討を進めるよう求めた。
広瀬社長は「労働環境の改善などしっかり取り組む」と述べた。
現地視察は今週末以降、田中委員長ら5人の委員と原子力規制庁の清水康弘長官が3組に分かれて行う予定。
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