日本最大のProduct Manager Community
こんなコミュニティがあったんですね。サイボウズPM id:tannomizuki さんのブログを通じて知りました(id:antipop さん、改めて設立ありがとうございますm( )m)。
早速参加して過去ログをすべて読み漁りました。現時点で300名超が参加しており、対話や議論が生まれるコミュニティとしてはおそらく日本最大規模といって良いんじゃないでしょうか。
このコミュニティの議論の流れをサマると以下の様な感じ。
- 日本において製品開発におけるプロダクトマネージャーは主に自動車産業でその役割を発展してきた経緯がある
- が、知見が閉じておりなかなか他の産業まで浸透していなかった。
- 日本のIT産業の拡大と、OSS的な指向からその開発手法が会社に閉じることなく広がり始めてきた。
- その中でここ数年、急激に注目されてきたのがプロダクトマネージャー(PM)/プロダクトオーナー(PO)。存在が製品価値を大きく左右するよね、でも定義よくわからんね。そもそもPMとPOの違いは?
- このコミュニティで各社の事例を持ち寄って、各社のケースを通じて理解を深めよう!
会社名を記載するのは野暮なので自重しますが、会社規模だとスタートアップ~上場企業まで、メンバーのタイトルだとCTOクラスまでいて、ケースを持ち寄っている。多様な中で「PMとは何か?」を抽出し体系化されつつあります。個人的に自身の思考も整理でき、非常に濃いと感じました。
以下のリンクよりJoin Freeなので気になる方はおすすめします(PMじゃないデザイナー/エンジニア/マーケターなどもwelcomeぽい)。
Join Product Managers Japan on Slack!
本記事では個人的に気になっていた3つの論点について整理してみます。
PMの位置づけも役割も、組織の規模と体制で大きく変わる
議論の大半は、この3つの論点について各PMがケースを持ち寄る流れだった。 「なぜPM必要か?」についてはほぼ全員がPMもしくはPMを設置している組織で経験を積んでいることも有り、大きな論点とならなかったっぽいが、一方で2と3のPMはどんな職能で、どんな位置づけなのか、というのは各社で大きく違うようだった。
1)機能別組織の中で、プロダクトの軸を作るという意味でのPM
2)事業部別組織の中で、ゼネラルマネージャーの役割を分担するという意味でのPM
というふたつの方向がありそうですね
個人的に各ケースをざっくり整理してみたところ、概ね小さいチームでは2、大きいチームでは1という分類ができそうだった。
本来的には一人の製品責任者が両方の役割を担うべき所、組織が肥大化してしまい、「組織の事情」で役割の分離が起きているんじゃないかなと感じる。
これはジェフ・ベゾスの言う「ピザ2~3枚分のチーム理論」が当てはまりそうだ。
非エンジニアでPMだと技術制約わからないんじゃないか問題
自分がそうだ、という理由で一番関心があったトピックが「非エンジニアでPMだと技術制約わからないんじゃないか問題」。Slackでも盛り上がっていた。
この問題について僕自身がプログラミングの素養0にも関わらず、なんとなくやれてるのは id:ninjinkun さんの以下の話がドンピシャだなと思った。
自分の例で言うと、
- 自身が創業メンバーかつ、マーケやBizOpsで使う数値を常に必要としていたので、プロダクトの歴史やらDBスキーマをある程度理解してた。
- このことにより、自身が使用を作成する際の「見積もりが取りづらい問題」を30%くらい緩和できている。
- ただ70%は依然足りないので、エンジニアのVPと毎日詰めて、可能なら3プラン出してもらって判断する
- それでも技術制約の話は日常的に理解を深める必要があるので日々勉強でしのいでいく(今のところ姿勢だけ…)
逆に非エンジニアだから良いこと
メンバーの中にも非エンジニア→PMというパスの方がある程度存在しているようだった。
余談だが、僕はPMはエンジニア出身である必要はないと思っている。以下に書いたように、一番の仕事はパッション的なメタな場所だと思っているし、
トヨタ自動車のPM的ポジションである主査を紹介した本にも、やたら太字で「意志をもつことだ」と書かれているとどこかで見たので、あながちハズレじゃないんじゃないだろうか。
ドキュメント トヨタの製品開発: トヨタ主査制度の戦略,開発,制覇の記録
- 作者: 安達瑛二
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ただし技術的素養が薄い分、非エンジニアPMはなんらかの強みで、コミュニケーション効率や製品価値を高めるためのHowを持たなくてはと思っている。
自分がPMとして持ちうる強み的には、
- マーケやBizOpsでデータとユーザーを一番見てるのでグロースに必要なメトリクスの設定の精度がメンバーの中で一番高い
- そこから仕様に落としていくので全社的なトータルのコミュニケーションコストが低いところかなと思っている
- 結局エンジニアも「いけてるサービス創って成功する」が一番の目標なので、一番サービスを成長させられる仕様が出てくることを望んでいる
- 仕様出した後、見積もりをミスっているときは id:june29 さんとおり3プランつくってもらって決める。
あとかなり特殊だがマーケティング兼任することでプロダクトのプランとマーケのプランが常に一致できるというのが最大の強みで、楽なポイント。
ここでアクセル踏む、とかいまはCPA、いまはチャーン、などメトリクスとアクションは絶えず動くものなので、それに応じてリソースを動かすコストが低い、ってのはスタートアップだとすごい重要だなと感じる。
PMケースを考えるフレームワーク
最後に、id:ninjinkun さんがまとめてくれていた、オフ会用の質問集が自社のPMケースを考える上で重要な論点がすべて詰まっていたので紹介させていただきます。追ってこの論点に自分の考えまとめてみたいなと思います。
# 組織・人事 - プロダクトマネージャーの責任範囲はどこまでか - プロダクトの責任者は誰であるべきか - 専任のプロダクトマネージャーが必要になるタイミングはいつか - プロダクトマネージャーはどう育成すれば良いか - プロダクトマネージャーをどう採用するか - プロダクトマネージャーをどう評価するか - プロダクトマネージャーの部署は必要か、どう作るか # キャリア・学習 - プロダクトマネージャーは何を学んだら良いか - プロダクトマネージャーはマーケティングを学ぶ必要はあるか - エンジニアやデザイナー出身のプロダクトマネージャーがマーケティングやビジネス領域を学ぶにはどうしたら良いか - エンジニア出身ではないプロダクトマネージャーがエンジニアリングを学ぶ必要はあるか - プロダクトマネージャーにはどういう人がなるか - おすすめの本を教えてほしい # 業務 - 仕様策定にどこまで介入するか - プロダクトマネージャーが業務の中で作る成果物は何か - 開発の優先度をどう決めたら良いか - 特別仕様をどう回避したら良いか - プロダクトマネジメントをしながら実装(コーディング、デザイン)も兼任することは可能か - 割り込みが多いと思うが、どう対処しているか - 企画時に使っているツールを教えてほしい - 開発時に使っているツールを教えてほしい - 業務の中で使用しているフレームワークを教えてほしい - 事業の立ち上げ期と拡大期でプロダクトマネージャーの仕事はどう変わるか