[PR]

(21日、競泳・コナミオープン)

 男子100メートル平泳ぎのスタートから最後まで、北島は小関の前を行くことはできなかった。「いま出来る最大限のレースはした」。淡々と言った。

 「安定はしてきたが、爆発力がない」といまの自分を冷静にみつめる。50メートル時点で小関との差はわずか0秒18。そこからついて行けず、逆に1秒近くまで差を広げられた。今月に入って風邪をひき、練習を休んだ影響も加速を鈍らせた。

 五輪で金メダルを四つ獲得してきた33歳のスイマーが5大会連続の五輪切符を手にするには、4月の代表選考会で派遣標準記録を突破したうえで上位2人に入らなければいけない。今大会の記録からすると100メートルで0秒94、200メートルで1秒34の短縮が最低でも必要になる。

 「五輪に行くことしか考えていない。初めて五輪を目指したときの気持ちに戻って、水泳人生のラストチャンスだと思って山で勝負してきたい」。23日に出発するスペインでの高地合宿に、すべてを懸ける。(清水寿之)