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 川崎市の有料老人ホームで入所者の男女3人が転落死した事件で、1件目についての殺人容疑で元職員・今井隼人容疑者(23)が逮捕されてから22日で1週間になる。「手がかかる人だった」「入浴の介助で困っていた」。供述からは、介護の仕事へのストレスや不満が動機として浮かぶ。物証が乏しい中、神奈川県警は供述の様子を録音・録画するほか、再現実験をするなどして慎重に裏付けを進めている。

 「本当のことを話さなければいけないと思った」。県警の任意の事情聴取に、今井容疑者が殺害を認めたのは15日。2014年11月上旬に男性(当時87)を4階のベランダから投げ落とした容疑で、15日夜に逮捕に踏み切った。

 3件の転落死が続いたのは、今井容疑者が「Sアミーユ川崎幸町」で働き始めてから半年後のことだった。捜査関係者によると、14年12月末に3人目の女性(当時96)が6階から転落した際、今井容疑者は「自殺したようだ」と駆けつけた県警幸(さいわい)署員に説明していた。「これで3人目ですよね」と署員に問われると、黙っていたという。