擬似三極管素子化回路の研究
Ver.1.002 2009.03.15a

更新履歴
2009.02.22 Ver.1.000 新規作成
2009.03.07 Ver.1.001 記事追加
2009.03.15 Ver.1.002 2SK213ヘッドフォンアンプ特性追加

【はじめに】

これは、偶然に気づいたことで,もう知られているかもしれませんが、私なりに研究してゆきます。


図1 回路

さて、これのId-Vd特性はこうなります。

図2 図1の回路のId-Vd特性

さて、なぜこうなるのでしょう。実は鍵はQ2にあるのですが、見てみます。


図3 カレントミラー

図3のカレントミラーのV1とR1の電流を書いてみるとこうなります。


図4 V1とR1の電圧との関係

この電圧によって傾きが大きくなるという傾きがポイントなのです。
これをQ1に入れると図5の特性で拡大され図2のようなグラフになるのです。



図5 MOS-FETのVg-Id特性

ためしに2SK213で実験してみました。2SA1015-GR、2SK30A-GRを使いました。

DC変動はすぐに安定します。出力インピーダンスは137Ω(負荷オープン1.6Vppにて)でした。

2SK30のソースの抵抗を回して出力0.5Vrmsにおいてドレインが10Vのとき一番歪が下がって、1KHz0.20% 2次0.20% 3次 0.03%のように2次成分が多いです。入力は70mVでした。

f特は20-150KHzまで大体見たところフラットでした。

LM317PはSTマイクロ製です。


図6 実験回路


図7 完成したヘッドフォンアンプ

VR1は、2SK213のドレインが8.4Vになるように調整する。なお、1Kでは小さすぎるようです。

結構、ハイゲインで、シーシーノイズがありますが、いけるヘッドフォンアンプです。

なお、最新の回路ではR1は10Ωを2本パラにしております。VR1は1Kで十分です。


図7−1 高調波歪率特性 負荷66Ω 0.86Vrms出力

なお、このデータは、C3を3300uFを2個パラにした6600uFで測定しております。また、現在はそのように改変されています。

図7−1−1 周波数特性



図7−1−2 DF



図7−1−3 歪率特性



図7−1−4 高調波特性

ノイズレベル 840uV  150uV(JIS-A聴感補正後)

  
      1KHz                                 10KHz


     100KHz





さて、もう少し、さぐってみましょう。


図7A IRF530の特性測定回路

これで、V2をふってカーブトレースすると,おなじみの特性が出てきます。


図8 IRF530のId-Vd特性

では、D-G帰還をかけてみましょう。

図9 D-G帰還回路
すると、Id-Vdカーブはこうなります。

図10 D-G帰還をしたIRF530のId-Vd特性

したがって,これは,上條先生の超3結と同じ原理です。つまり、半導体の超三結であったわけですね。

さて、では、どんな特性がいいでしょうか。

図11 2N3055の回路
これのカーブはこうなります。


図12 図11のIc-Vce特性

これは,見た目はいいのですが,VCE=30V,IC=0とVCE=0,IC=3Aを結んだ10Ωのロードラインを引くと、赤と交差するのは 17V1.75Aくらいですね。すると,電圧利用率は(30V-17V)/30V=43%です。0から17Vまでは無駄になります。
ここで、カーブの傾きから、内部抵抗は約5Ωと見れます。



図13 改良した回路


図14 図13の回路の特性

では、同じく30Vから10Ωのロードラインを引くと3V,2.6Aくらいで交差します。
したがって、電圧利用率は(30V-3V)/30V=90%です。したがって、出力はさきほどからくらべるとはるかに大きくなります。
つまり、上の三極管ににたカーブでは3極管と同じで電圧利用率が悪く出力は取れませんが、このように五極管の特性と三極管の特性を組み合わせたこのカーブ は両方の利点を持っています。
つまり、内部抵抗がひくく、電圧利用率が大きく出力も取れるのです。

ここで、カーブの傾きから、内部抵抗は約5Ωと見れます。



図15 改良その2


図16 図15の回路の特性

電圧利用率はすこし悪くなっています。
この場合,カーブの傾きから、内部抵抗は約2Ωと見れます。


図17 2SK3163の場合

これの場合,


図18 図17の回路の特性

カーブの傾きから2A付近では内部抵抗は2Ωと読み取れます。そこで下にしめす実験回路を組んでみました。



図19 実験回路 (パスコンは省略してあります。)

なお、ツェーナーは回路図では変なものになっていますが秋月電子で売っていた12V1Wのものです。
A級シングルです。後述するようにDF=4です。
歪は4W時6% 3W5% 2W4% 1W時3.3%でほとんど2次です。高域は70KHzまでフラット、150KHzで-1dBです。


図20 
シミュレーションでは、出力インピーダンス1.4Ωでしたが、実測は2Ωでした。
なお、25V1.6Aで40Wにもなりますので,ファンで冷やしています。


     1KHz

1KHz においてオーバーシュートが出ます。現在原因を追求しております。



つづく

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