2016年02月20日
新種牡馬辞典 - スターウォーズ
新種牡馬辞典、二十三弾はスターウォーズ。キタサンカムイデン、キモンノカシワ、そしてスターウォーズとかなり知名度に欠けるラインナップが続きますが、その正体は父キングカメハメハ、母*レディバラード、半兄ダノンバラードというピカピカの良血馬です。字面だけ見れば産駒が交流重賞のひとつやふたつ勝ってもおかしくないほどのポテンシャルを秘めていますが、中標津での供用ということもあってほとんど牝馬は集まっていません。
スターウォーズ
ケイアイファーム産 2007年生 黒鹿毛父系:キングマンボ系
父キングカメハメハについてはルーラーシップの記事を参照。
母*レディバラードは通算19戦7勝。マル外として日本で走り、クイーン賞、TCK女王盃と交流重賞を2勝した。母として他にアメリカジョッキークラブC、ラジオNIKKEI杯を制したダノンバラード、京都新聞杯で2着に入ったロードアリエスなどを出している。また、孫にOP伏竜Sで2着に入ったロードクルセイダーがいる。
祖母 Angelic Song は加国産馬で、不出走馬。Glorious Song や Devil's Bag 、Saint Ballado の全きょうだいという超良血馬で、母として他に米GIハリウッドターフCの勝ち馬 Sligo Bay 、OPみなみ北海道Sの勝ち馬*ミレニアムウイングなどを出している。また、孫にダイオライト記念のフサイチセブン、アメリカジョッキークラブC2着のスーパームーン、川崎記念3着のグラッツィアなどがいる。
<競走成績>
セレクトセールにて「バニヤン」の津村靖志氏によって8000万円超の高額で落札されたが、その後何度かオーナーが変わったようで、最終的には元に戻る形でロードのオーナー・中村祐子氏の持ち馬としてデビューすることになった。ただ、中央では4戦して勝ち星をあげることはできず、3歳暮れより船橋へ移籍。ここで3勝をあげて4歳時に中央に復帰したが、芝・ダート・障害すべてを試すも結果を残すことができず、結局中央では一度も馬券圏内に来ることはなかった。
<供用実績>
引退後は種牡馬入り。血統的には社台にいても全く違和感がなく、種牡馬入り自体は全く驚かないが、供用地は馬産地としては極めてマイナーな中標津町で、ほぼ自牧場の牝馬のみに細々と種付けを行っている。なお、同牧場にはかつてフジキセキ産駒のミラクルポイントやカネツフルーヴが種牡馬として繋養されていたこともあり、生産馬として「アマゴワクチン」が園田で勝ち星をあげている(未勝利に終わったが、他に「ベアーナックル」もいる)。
<注目の産駒>
デビューグラスはハタノヴァンクールやグランドシチーといったダート中距離タイプを送り出しているキングカメハメハ×*ブライアンズタイム配合。兄シルキーハヤテ以上に走ってもおかしくはない。トウカイジャスパーは Dixieland Band などを出した由緒ある牝系に Prince John 、 Roberto 、*ノーザンテーストと配合された一本筋の通った血統。きょうだいに目立った馬はいないが、秘められたポテンシャルはかなり高そうだ。ちなみに同馬の兄が前述のベアーナックル(父カネツフルーヴ)である。
<傾向予想> 芝:△ ダ:◎ 距離:マイル〜中 ピーク:3歳〜
競走成績は貧弱だが、トレンドで影響力の強い血を多数持っており、肌馬しだいでは種牡馬としてそれなりにやれる可能性は十分ある。父・母からアメリカンでパワフルな血を引き継いでおり、完全にダート向き。ただスプリントをこなせるだけのスピードには欠け、1400mから1800mくらいを最も得意とするだろう。仕上がりはそこそこ早そうだが、成長力のあるタイプ。
ディープインパクトとキングカメハメハの後継種牡馬争いに沸く2016年の新種牡馬リーディングだが、前者は先日紹介したキモンノカシワ、後者はこのスターウォーズといったマイナー種牡馬もスタンバイしている。ルーラーシップやディープブリランテは種付けした牝馬の質からして何頭かの活躍馬を出すことは間違いなさそうだが、もしこれらマイナー種牡馬から活躍馬が出るようだと種牡馬の父として真に優秀だと言えるだろう。その意味では注目に値する種牡馬である。
ケイアイファーム産 2007年生 黒鹿毛父系:キングマンボ系
| <血統構成> 5代内クロス: | Mr. Prospector 3×4 Northern Dancer 5×5 |
| キングカメハメハ 鹿毛 2001年 | Kingmambo | Mr. Prospector |
| Miesque | ||
| *マンファス | *ラストタイクーン | |
| Pilot Bird | ||
| *レディバラード IRE 黒鹿毛 1997年 | Unbridled | Fappiano |
| Gana Facil | ||
| Angelic Song | Halo | |
| Ballade |
父キングカメハメハについてはルーラーシップの記事を参照。
母*レディバラードは通算19戦7勝。マル外として日本で走り、クイーン賞、TCK女王盃と交流重賞を2勝した。母として他にアメリカジョッキークラブC、ラジオNIKKEI杯を制したダノンバラード、京都新聞杯で2着に入ったロードアリエスなどを出している。また、孫にOP伏竜Sで2着に入ったロードクルセイダーがいる。
祖母 Angelic Song は加国産馬で、不出走馬。Glorious Song や Devil's Bag 、Saint Ballado の全きょうだいという超良血馬で、母として他に米GIハリウッドターフCの勝ち馬 Sligo Bay 、OPみなみ北海道Sの勝ち馬*ミレニアムウイングなどを出している。また、孫にダイオライト記念のフサイチセブン、アメリカジョッキークラブC2着のスーパームーン、川崎記念3着のグラッツィアなどがいる。
<競走成績>
| 年 (歳) | 戦 | 勝 | 主な実績 |
| 2010年 (3歳) | 7 | 1 | 1着 3歳(船橋) D1500 |
| 2011年 (4歳) | 7 | 2 | 1着 4歳(船橋) D1500 1着 C2(船橋) D1600 |
| 2012年 (5歳) | 4 | 0 | |
| 2013年 (6歳) | 1 | 0 | |
| 計 | 19 | 3 |
セレクトセールにて「バニヤン」の津村靖志氏によって8000万円超の高額で落札されたが、その後何度かオーナーが変わったようで、最終的には元に戻る形でロードのオーナー・中村祐子氏の持ち馬としてデビューすることになった。ただ、中央では4戦して勝ち星をあげることはできず、3歳暮れより船橋へ移籍。ここで3勝をあげて4歳時に中央に復帰したが、芝・ダート・障害すべてを試すも結果を残すことができず、結局中央では一度も馬券圏内に来ることはなかった。
<供用実績>
| 年度 | 種付料 | 種付数 | 生産数 | 登録数 | 供用場所 |
| 2013 | 10万円 | 4 | 2 | 2 | 大西雅信牧場 |
| 2014 | 10万円 | 4 | 0 | 0 | 〃 |
| 2015 | 10万円 | 3 | − | − | 〃 |
| 2016 | 10万円 | − | − | − | 〃 |
引退後は種牡馬入り。血統的には社台にいても全く違和感がなく、種牡馬入り自体は全く驚かないが、供用地は馬産地としては極めてマイナーな中標津町で、ほぼ自牧場の牝馬のみに細々と種付けを行っている。なお、同牧場にはかつてフジキセキ産駒のミラクルポイントやカネツフルーヴが種牡馬として繋養されていたこともあり、生産馬として「アマゴワクチン」が園田で勝ち星をあげている(未勝利に終わったが、他に「ベアーナックル」もいる)。
<注目の産駒>
| 母名 | 性 | 備考 |
| デビューグラス | 牝 | 大西雅信氏の生産馬。母は*ブライアンズタイム産駒で、中央1勝。兄に福山で24勝をあげ、重賞・西日本グランプリで3着に入ったシルキーハヤテがいる。 |
| トウカイジャスパー | 牝 | 大西雅信氏の生産馬。母は*ノーザンテースト産駒で、中央2勝。エアグルーヴの勝ったオークスに出走している(9着)。 |
デビューグラスはハタノヴァンクールやグランドシチーといったダート中距離タイプを送り出しているキングカメハメハ×*ブライアンズタイム配合。兄シルキーハヤテ以上に走ってもおかしくはない。トウカイジャスパーは Dixieland Band などを出した由緒ある牝系に Prince John 、 Roberto 、*ノーザンテーストと配合された一本筋の通った血統。きょうだいに目立った馬はいないが、秘められたポテンシャルはかなり高そうだ。ちなみに同馬の兄が前述のベアーナックル(父カネツフルーヴ)である。
<傾向予想> 芝:△ ダ:◎ 距離:マイル〜中 ピーク:3歳〜
競走成績は貧弱だが、トレンドで影響力の強い血を多数持っており、肌馬しだいでは種牡馬としてそれなりにやれる可能性は十分ある。父・母からアメリカンでパワフルな血を引き継いでおり、完全にダート向き。ただスプリントをこなせるだけのスピードには欠け、1400mから1800mくらいを最も得意とするだろう。仕上がりはそこそこ早そうだが、成長力のあるタイプ。
ディープインパクトとキングカメハメハの後継種牡馬争いに沸く2016年の新種牡馬リーディングだが、前者は先日紹介したキモンノカシワ、後者はこのスターウォーズといったマイナー種牡馬もスタンバイしている。ルーラーシップやディープブリランテは種付けした牝馬の質からして何頭かの活躍馬を出すことは間違いなさそうだが、もしこれらマイナー種牡馬から活躍馬が出るようだと種牡馬の父として真に優秀だと言えるだろう。その意味では注目に値する種牡馬である。