【巨人】ギャレット2安打V弾!VS阿部&長野の4番バトル先制
◆オープン戦 巨人2─0DeNA(20日・那覇)
オープン戦が、沖縄で3試合行われて開幕した。巨人は、新外国人のギャレットがV打を含む2二塁打、ルーキー重信が2安打2盗塁と、新戦力2人の活躍で、DeNAに2―0で競り勝った。高橋監督はラミレス監督との新人監督対決を制した。中継ぎから先発転向を目指すマシソンは3回無失点、開幕ローテ入りを目指す2番手の田口は4回無失点と、4投手で完封リレーを達成。指揮官にとっては収穫の多い初勝利となった。
打球音もさることながら、ボールの伸び方が異常だった。逆風に戻されると判断した相手右翼手は一度前に出たが、ギャレットのバットにはじかれた打球は、アゲンストなどモノともしなかった。4回1死二塁から三嶋の外角139キロを引っ張り、実戦初長打となる右越え二塁打。「仕留めるべきボールでのファウルもあったけれど、芯で打つことができた」。メジャー122発の長距離砲が、実力の片りんを見せつけた。
バットコントロールの良さも披露した。続く7回先頭には、田中の外角直球を中堅方向へ。低いライナーは、ダイビングキャッチを試みた桑原のグラブの先を抜けていった。左右に打ち分け、2打席連続の二塁打。敵将・ラミレス監督も「プルヒットだけでなく、広角に打ち分けられる。投手に対して、プレッシャーをかけられるバッターだ」と脱帽した。
身長196センチ、107キロの巨体だが、趣味のバスケットで「ダンクができる」という身体能力と、“雑食”でプレーを支える。「ウィンターリーグで外国に行った時もそうだけど、その土地に慣れるには、まず食事から。好き嫌いしないことだね」。大好物のワインを片手に、宮崎料理も沖縄料理も進んで口にした。また、ロッカーでは、独学で覚えた日本語で下ネタをぶっ込むなど、チームに溶け込むためのおちゃめな努力も欠かさない。
もちろん、技術の微調整にも余念がない。キャンプイン以降、スイング時に体が前に流れる点を修正してきた。松井臨時コーチからは軸足体重のフォームを教わり、沖縄に入ってからは、全体練習後にカーブマシンの緩いボールを打つ練習を反復。徐々に体重移動が安定してきた。「早い段階で結果が出たのは良かったけれど、変えなきゃいけない部分もある。相手のペースにはまらないように、始動を早めてやっていく」と、さらに改良を加えていくつもりだ。
由伸監督は阿部、長野とともに、ギャレットを4番候補に挙げている。軸が決まれば、打線も組みやすくなる。「そうだね。そういったところを期待しているのでね、こっちは。(4番に期待すること?)チームの中心なんだから、全て。長打も欲しいし、勝負強さも欲しい」と求めた。ギャレ砲も「(4番は)好不調なく、走者がいればかえす。内容のある打席を期待されていると思う」と使命感を持つ。激闘が予想される主砲争い、まずは一歩リードだ。(尾形 圭亮)