西山明宏
2016年2月21日09時50分
外国人観光客による爆買いが、目薬や鎮痛剤といった一般医薬品に広がっている。なかでも「日本に行ったら買うべきだ」と、中国のネットで紹介された12の「神薬」は人気が高い。製薬会社は売り上げ増を喜ぶが、このまま続くか不安もある。
■外国人向け販売、7割
外国人観光客でにぎわう大阪・道頓堀。戎橋から徒歩10分ほどのドラッグストア「スギドラッグ道頓堀東店」の売上高は、全国の系列店の中でトップを誇る。外国人向け販売が7割を超え、全体を押し上げている。
客の多くを占める中国人のお目当ては医薬品だ。店側も中国語の商品説明を充実させている。中国語を話せるスタッフは計約40人で、日本人の4倍。免税用レジには長い列ができ、1人で10万円近く買い込む人もいる。
目薬や風邪薬などを買い物かご3個に詰め込んでレジに並んでいた中国・重慶市から観光に来た女性(36)は「日本製は質が高いし値段もお得。たくさん買おうと思って来ました」。
「爆買い」といえば値段の比較的高い家電や化粧品が知られていたが、最近の売れ筋は数百円から数千円の医薬品だ。中国の株安や人民元下落で、観光客の財布のひもが固くなったことも影響しているという。
目薬や外用消炎鎮痛剤、頭痛薬や便秘薬など12の「神薬」という目玉商品も中国人を引きつける。日本に行ったら買うべき薬として2014年秋ごろからネットで紹介され、どんどん人気が高まっている。中国で売っていないことや、安全安心という日本のブランドイメージがうけている。
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