分布、10年間で最小…気温・水温高く、溶ける
今年のオホーツク海の流氷の分布範囲や密集具合が過去10年間で最小だったことが、第1管区海上保安本部(北海道小樽市)の調査で分かった。【安達恒太郎】
同海保は「例年に比べ、周辺の気温や水温が高く、流氷が溶けている」と分析している。札幌管区気象台によると、網走市には流氷が接岸しておらず、このまま接岸しなければ、観測史上で1989年以来27年ぶり2回目。
海難事故防止のため、同海保は毎年、宗谷岬〜網走沖のオホーツク海の流氷観測を実施。今年は6〜10日の計5日間、「巡視船そうや」(3100トン)で調査した。この結果、枝幸沖約60キロ付近で直径20メートル以上、厚さ約50センチの流氷を確認したが、そのほかの海域では、直径20メートル以下の小さい流氷しかなかった。
日本海から流入する暖流の影響で、宗谷岬〜雄武沿岸では水温が0〜3度となり、周辺より高くなっているという。