高校時代の唯一の友人である、不細工な男と大学の春休みを使い四国に旅行へ行ったのだった。
ふたり旅はやめといたほうが良いというよりは、不細工な人間が世間から優しくされない理由が分かっただけだった。
ホテルのツインベットで朝目覚めると、友人を背にして落ちないギリギリの場所で寝ていたのだった。
また、自分は高校時代からなのだが彼の容姿を見ると不快になるので、マトモに彼を見ようとしない。
旅行中にマトモに彼の顔を見たのは数回程度だ。
容姿が良い夫婦が容姿がマトモな我が子を連れていたので、友人の容姿とお顔の綺麗な子供をずっと比較して絶望していた。
旅行自体が楽しくなかったとは言わないが、考えも価値観も趣味も合わない醜男と旅行を行くのは計画のときからストレスだらけだった。
松山城なんてみたくねーよ 豚。と何度感じたことか。
世の中がどうして容姿が醜い人間に酷いことをするのかがよく分かった。
道後温泉の旅館の鏡で以前飲んでいた腎臓病の治療薬の副作用で出来上がったぼろ切れのようなニキビ跡や吹き出物、毛穴だらけの皮膚に覆われた一重まぶたの通っていない鼻で、分厚い唇、強いくせ毛の自分の顔を見たときは息苦しくなるのだった。
下手したら友人よりも醜いかもしれない。
容姿がマトモであろう人間が我が子を保育園に入れることができないボヤキは皆どこまでも肯定するのだろう。
所詮金で解決できる。
しかし、容姿が醜く相手にされないことは救いがないことが自分の醜い男に抱いた感情で分かった。
最悪だ。
自分が趣味も考えも思想も合わない醜男と一緒にいるのは、姿が醜くマトモな姿の人間に相手にされないからなのだ。
腎臓の病のおかげで、出来るか出来ないか、良くなるか分からない整形をするために金を貯めるしかないのだろう。
最悪なのは何時か起こる腎臓の病の再発だ。また容姿が醜くなる、醜男としか付き合えなくなる薬を飲まなくてはいけない。
探すとき面倒だから、[ブ男といっしょと]かみたいにタイトルにつけといてくれ