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【社会】3・12 爆発前、ベントの白煙 福島第一原発1号機
東京電力福島第一原発事故で、東電は事故発生翌日の二〇一一年三月十二日に、1号機でベント(排気)を実施した。その鮮明な映像を、写真家の石川梵(ぼん)さんが撮影していた。本紙に提供された写真には、排気筒から北にたなびく白煙がはっきり写っている。 1号機は地震・津波に襲われた十一日の夕方には炉心溶融が起き、炉内の圧力が危険な状態になった。東電は十二日午前にベントを試みたが失敗。午後二時半ごろに再び試みた。ベントの成否はこれまで、ライブカメラの不鮮明な映像や、格納容器の圧力低下で確認できたとされてきたが、ここまで鮮明な映像で確認できたのは初めて。 石川さんは当時、津波で壊滅的被害を受けた宮城県気仙沼市を小型機で撮影した帰りだった。本紙の取材に「撮影したのは午後二時四十分ごろ。気仙沼に向かう時は福島第一原発の様子がおかしいとは思わず、敷地内が津波でやられているとも思わなかった。帰りに排気筒から煙が出ているのを見て、とんでもないことが起きているのではと思い、シャッターを切った」と話した。 1号機はその一時間後の同三時三十六分、建屋上部にたまったガスにより水素爆発を起こした。 PR情報
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