北京=林望
2016年2月20日15時30分
毛沢東から「あなたがやれば安心だ」と後継を託されたとされる故・華国鋒元共産党主席の故郷で、華氏の銅像を地元政府が撤去しようとして住民が激しく抵抗する騒ぎが起きた。郷土の「英雄」の扱いを、政治の流れで二転三転させる政府への反発もありそうだ。
騒ぎが起きたのは、山西省呂梁市の呂梁人民英雄記念広場。住民の書き込みや香港メディアなどによると、17日、1月に建てられた高さ約10メートルの銅像を政府が撤去するとの情報が広がり、数千人以上の住民が集まった。住民は「英雄をたたえることの何がいけないのだ」などと声を上げ、中国の国歌を歌ったりして反発し、警察ともみ合った。
華氏は文化大革命の混乱を深めた「四人組」の逮捕に尽力した一方、文革で失脚した人々の名誉回復や政治・経済改革には消極的だったという批判も根強い。
08年に華氏が死去した後、県や省政府が約1200万元(約2億円)で墓園を建造。「まるで皇帝の陵墓」と批判された。銅像は華氏の生誕95周年に合わせ建てられた模様だが、歴史的評価の定まらない過去の指導者の個人崇拝は政治的に敏感な問題だけに、撤去を命じられたとみられる。(北京=林望)
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朝日新聞国際報道部
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